「暮らすように旅したい!」 旅のあれこれ ariruariru

勤め人ですが心は旅人。ヨーロッパ中毒気味。「言葉」が大好き。

南ヨーロッパの旅で「シエスタはすばらしい!旅先で身をもって知ったこと」

目次

シエスタの習慣とは

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クロアチアのドゥブロブニク。ビーチに人があふれる。 )

 

ariruariru.hatenablog.com

 

シエスタとは、南ヨーロッパ文化の

中でも特徴的な一つで、

簡単に言えば、午後にとる休息のことである。

 

国や地域によっても多少異なるが、

だいたい午後2時くらいから昼食をとり、

そのあと午後4時くらいまで休息をとる。

 

南ヨーロッパでは夏の日中はとても暑くなる。

日本と同じ温帯とはいえ、

日本のジメジメした温暖湿潤気候の夏とは違い、

雨がほとんど降らない、カラッとした地中海性気候の夏。

乾燥した暑さだ。

 

ジメジメした日本の暑さも極めて不快だが、

南ヨーロッパのカラッとした暑さも、

日差しがじりじりと肌にさすように痛く、

なかなかうまく過ごすのは難しい。

 

フィレンツェでは身をもって体験

 夏の南ヨーロッパは乾燥しているので、

日向は暑いが日陰は涼しい。

日向と日陰の気温差がとても大きい。

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フィレンツェの街並み。日差しがまぶしい。)

 

ariruariru.hatenablog.com

 

昔、8月にフィレンツェでホームステイをしていた時、

初日のシエスタ前にホストマザーから、

「部屋の窓は必ず閉めてから昼寝するように」

と言われていた。

 

それなのに私は、日本の夏の暑さの感覚で、

閉め切るより少し窓が開いている方が

風が入ってきて涼しいような気がして、

窓を開けて昼寝をしてしまった。

 

2時間ほど昼寝して起きたら、大変なことに……。

室内はサウナのようになっていて、私は汗だく。

起き上がると脱水症状でフラフラした。

大失敗の初日だった。

 

「郷に入りては郷に従え」

 

まさに、現地の快適な過ごし方は

現地の人が知っている。

 

乾燥した暑さのフィレンツェでは、

開けた窓から熱風が吹き込んだり、

日差しが窓から照りつけることで

温度が上昇してしまうのだ。

 

スペインで経験したシエスタ

 初めてシエスタという文化を感じたのは、

今から20年以上前、初めて南ヨーロッパを訪れた時。

 

3月にスペインのマドリッドに10日ほど滞在した。

マドリッドから日帰りで、トレドや

アランフェスを訪れた気ままな旅だった。

 

今ではスペインも、シエスタの文化は消えつつある。

都会では午後の時間も街を歩く多くの人々が見られるし、

客が来るので商店も開いていることが多い。

 

でも私が初めて訪れたころのスペインは違っていた。

大都会の首都マドリッドでもシエスタ文化が

確実に残っていたのだ。 

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(2012年夏に訪れた時のマドリッド。内陸のマドリッドの夏はホントに暑くてまぶしい。)  

 

マドリッドのアトーチャ駅周辺を午後に歩いていると、

大通りに面した商店が次々とシャッターを下ろし始める。

その光景をはっきりと覚えている。

小さな商店からデパートまでもが、

昼に休息時間をとっていた。

 

大都会マドリッドはシーンと静まり返って、

大通りを走ってた車もどんどん数が減り、

午後3時くらいになると道行くのは私たちだけ。

 

日帰りで古都トレドを訪れた時も、

完全なシエスタが行われていた。

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古都トレドの街並み。奥はトレド大聖堂。2012年撮影。)

  

まず、学校に通う子どもたちが

いったん家へ帰るところに出くわした。

にぎやかに通りを歩いていた子どもたちが

各家庭に着いたころからか、

トレドの街全体の時間がピタッと止まったかのように、

街から何の音もしなくなる。

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(2012年夏のトレド。広場に面するマクドナルドですら、シエスタ時間は閉まる。)

 

広場に面したマクドナルドですら、

シャッターを下ろしていた。 

 

シエスタは生活の知恵

 夏の暑いフィレンツェに何度か滞在するうち、

午後はシエスタをとって休息をとり、

昼寝したり本を読んだりゆっくり過ごすことが、

気候にピッタリ適応する過ごし方なんだと

身をもって知るようになった。

 

はじめは午後の時間が惜しくて、

せっかく旅行で来ているんだから、

もっと街歩きしたいとか、観光地に行こうかなどと

欲張って思ったものだが、

なるほどホストマザーが言うように、

窓をきっちり閉めてソファにゴロンとしていると

比較的涼しいし、うつらうつら昼寝をするのは

とても心地よい。

 

夕方になると気温もぐっと下がってきて

風も出てくる。

すっきりした気分で街歩きを再開できるのだ。

 

暮らすように旅するのが楽しい

現地の人の暮らしには

長年の知恵と経験が詰まっている。

 

その土地の気候がその土地の風土や文化をつくっている。

それを経験して楽しむのもまた、旅の醍醐味だ。

 

旅にはできるだけ長くでかけたい。

同じ街にしばらく滞在したい。

観光名所だけをかいつまむような旅はしたくない。

 

それは、暮らすように旅することで、

新しく気づくことがたくさんあると知ったから。

シエスタという文化はその1つだった。

 

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