フランス旅「夜のモン・サン・ミシェルに誘われて」
2013年8月
目次
モン・サン・ミシェルに惹かれる理由
パリのモンパルナス駅から電車でレンヌへ。
TGVの快適な2時間の電車旅。
さらにレンヌからバスで1時間20分。
パリからモン・サン・ミシェルを訪れるには、
かなりの時間の余裕がないといけない。
それでも訪れたいのがモン・サン・ミシェル。
世界中から観光客が訪れる。
特に日本人観光客がよく訪れる場所だ。
私が訪れた2013年8月は、
その姿を大きく変えようとしている最中だった。
そもそもモン・サン・ミシェルとは、
中世に修道院が築かれて以来、
巡礼の地として栄えてきた場所。
干潮時には陸続きとなり、
満潮時には陸から切り離され島となる。
その独特な景観は、キリスト教徒でなくとも
一度は見てみたいと思わせる。
そんなモン・サン・ミシェルは
世界中から人を呼ぶ場所になったわけだが、
その歴史の中で堤防道路がつくられ、
厳密には島ではなくなってしまっていた。
人間の建造物が潮の流れを変えてしまい、
かつてのモン・サン・ミシェルが持つ景観とは
かけ離れた状態になってしまっていたのだ。
そこで大掛かりなプロジェクトが始まった。
堤防道路を取り壊して新しく橋を架け、
もともとの潮の流れを蘇らせるというもの。
私が訪れた2013年8月は
ちょうどそのプロジェクトの仕上げの段階だった。
レンヌからのバスが到着するのは、
モン・サン・ミシェルから2.5㎞離れた対岸だ。
ここからは無料のシャトルバスに乗る。
シャトルバスからは、
どんどん大きくなるモン・サン・ミシェルが。
目の前に見える信じられない光景に
世界中からやってきた人たちの
感嘆の声とカメラのシャッター音。
ただただ圧倒される。
モン・サン・ミシェルの夜
日帰りで訪れる観光客が多い。
パリからはなかなかの遠さだが、
弾丸なら日帰りできるし、
そんなツアーがたくさんでている。
でもそれでは
モンサンミシェルの夜を体験できない。
島内は狭いし、宿泊施設も限られるけど、
絶対に1泊する価値があると思う。
日帰りの観光客がいなくなる朝晩。
それがモン・サン・ミシェルの一番素敵な時間。
日が暮れかけるころ、夜の拝観へ向かう。
美しいだけではない、夜のモン・サン・ミシェル。
巡礼地を中心に渦を巻くように潮が満ちてくる。
逃げ場がなくなったような切迫感。
夏の日没後にしか見ることのできない光景。
ライティングと音楽の演奏に彩られた、
神秘的でどこか畏れ多い雰囲気の
わざわざ訪れるのなら、
この魅力を知らないのはもったいない。
もう一度訪れるときも、また一泊したい。