スペインひとり旅「いざ、圧巻のアルハンブラ宮殿へ!アンダルシアの熱風に吹かれるグラナダ」
2012年8月
この夏は、久しぶりのスペインを一人旅。
マドリッドを拠点に、初めてスペイン南部
アンダルシア地方を訪れた。
目次
前日に到着したグラナダは、想像以上の魅力的な街。
長くゆっくり見て回りたくなった。ただ、異常に暑いけど……。
今日は早起き!アルハンブラ宮殿へ
今朝は早起きして、いよいよ宮殿へ。
普段は早起きが苦手な私も、夏のスペインでは早起き。
なぜなら、朝は涼しいから。
滞在したホテルはこじんまりとしているが
古い邸宅をそのまま使っている歴史ある建物。
7時に朝食をとりに降りると、だれもいなかった。
静かで、ここが観光地であることを忘れる。
細い通りに面したホテルから広場へ出ると、
ひさしぶりに少しひんやりした空気を感じることができた。
昼の暑さはマドリッド以上だが、乾燥地帯のため
一日の寒暖差が大きいようだ。
静かだ。人もまばらだ。
昨夜のあの喧騒はどこへやら。
動悸が激しくなるような、目が回るような。
昼間は、むせかえるような熱風が
体にまとわりついてくる。
早朝の空気はそれと比べると実に爽やか。
前日に下見を兼ねてチケットを引き取りに行ったので、
道はわかっている。どんどん歩く。
今朝はバスに乗ろうかと前日は考えていたけど、
とても涼しくて清々しい空気に触れて、
やっぱり歩いていくことにした。
坂道の途中のバル。この時間に空いているのはバルくらい。
ホテルの朝食を食べてなかったら、
こんな店で食べてみるのもよかったな。
いざ!圧巻のアルハンブラ宮殿へ
ほどなくしてアルハンブラ宮殿の入り口に到着した。
前日の半分くらいの距離に感じる。
坂道に人はほとんど歩いていなかったけど、
宮殿に近づくと急に多くの人でにぎわってきた。
ほとんどはツアーバスで訪れた人々のようだ。
大きなツアーバスから団体客がはき出されている。
持っているチケットに印字された時間ごとに入場していく。
宮殿の敷地はあまりにも広いので、
入り口を入ってから歩くこと15分。
カルロス5世宮殿へ。
この建物だけルネサンス様式でちょっと不思議。
カルロス5世は建築好きな王様だったらしい。
コルドバのメスキータにカテドラルを増築した人。
なるほど!ミスマッチを好んだのかな?
宮殿の丘からは、美しいアルバイシンの街並みが。
ナスル朝宮殿の見学は予約制なので、
それまでしばらく絶景を見ながら待つ。
朝の光にグラナダの街が美しい。
そしていよいよ時間がやってきた。
絶景の祈りの場 メスアール宮
まずは、メスアール宮へ。
宮殿の現存するもっとも古い部分。
中に入ると……!すごい!
メスアールの間だ。祈祷室だったという場所。
光が差し込んでくる窓からは、美しいアルバイシンが見える。
古い迷路のような街並みは、イスラムの香り。
続いてメスアールの中庭。
この細かい装飾!本当にレースのようだ。
アラヤネスの中庭が美しいコマレス宮
そして、宮殿の中心部であるコマレス宮へ。
アルハンブラでもっとも有名なアラヤネスの中庭。
この暑い乾いた土地に、水をたたえる中庭が
いかに贅沢なことだったかがうかがえる。
これをつくった人々は、砂漠の民だったのだから。
客人たちはこの庭を通って部屋に案内されたらしい。
自慢の庭だったのだ。
目の前にあるのにどうなっているのかがわからない。
壁や天井を見つめすぎて、クラクラしてくる。
ちょっとホッとできるライオンの中庭
コマレス宮を過ぎると、12頭のライオンの噴水がある
ライオンの中庭に出る。こちらは王族たちのプライベートなお庭。
このライオン宮のお部屋の装飾がすごすぎる。
鍾乳石飾りというらしい。
精巧なだけでなく、色を使っていないのにとても華やか。
格式の高さというか、高貴な雰囲気を醸し出している。
バルコニーに出た。あまりにもすごいものを
立て続けに見たので、深呼吸!
アルハンブラ宮殿は、3日間くらいかけて見るのが
いいのかもしれない。一気に見ると消化不良で倒れそう。
深呼吸したこの眺めもまた凄くて、気の休まるところがない。
見どころが渋滞だ。
見学すべきところはまだまだあって、
すべてを見ることはできなかった。
体力的にも精神的にもいっぱいいっぱい。
最後にちらっとのぞいたパルタス庭園の貴婦人の塔。
この池がまた美しくて。
イスラムの文化特有の、水をふんだんに使った庭。
水が貴重な場所だからこそ、これが贅沢の極み。
いつの時代も権力者はないものを欲するのか……
などと感慨にふけりながら見学した。
南ヨーロッパを旅していると、
レコンキスタの歴史が関係するものと遭遇する。
キリスト教徒が支配した時代、
支配した時代、そしてキリスト教が再び取り返した時代。
ヨーロッパを旅していて、
こんなにもイスラムを身近に感じたことは今までなかった。
その歴史の移り変わりの速さに目がくらむ。
そして、暑いグラナダにも。
帰りは本当にバスに乗ろう、今度こそ。