スペインひとり旅「さ迷い歩くトレド街歩きその2 エル・グレコの家」
2012年8月
この夏は久しぶりのスペインを一人旅。
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マドリッドからアンダルシアへの旅を終え、
現在は古都トレドをお楽しみ中。
目次
優雅なパラドール滞在が感慨深い
トレドのパラドールに一泊した。
静かな丘の上のパラドール。夜はぐっすり。
いつもは早起きが苦手な私も、この日は爽やかな目覚めだ。
一人でパラドールに泊まるなんて、
私もずいぶん大人になったものだと、
なんだか感慨深い。
実のところ、この旅はもともと2人旅の予定だったのだ。
計画の段階では2人でパラドールに泊まる予定だった。
諸事情いろいろあって結局一人旅になったのだが、
トレドのパラドールは外せなかった。
そして、外さなくてよかった!
部屋のテラスから朝のさわやかな眺め。
昼に向かってどんどん暑くなるのだけど、
朝はまだ爽やかさが感じられる。
前日のものすごい暑さを体験してしまっているので、
この爽やかさがなんだか怖くもあるのだけれど……。
さて、朝食をとりに。素朴なスペイン料理だけど
美しく品があるところがやっぱりパラドール。
カフェコンレチェをたっぷりいただく。
朝食ルームにはほとんど人がいない。
のんびり自分のペースで。
丘の上に建つパラドール。とても静かだ。
さ迷い歩くトレド街歩き その2
さて、朝食を終えたら、パラドールをあとにする。
もっとゆっくりしたいなと思いながらも、
街歩きもしたいし……。あ~!トレド、また来たい!
後ろ髪をひかれつつ、街へ降りるバスを待つ。
すっかりバスにも乗りなれた私。
前日にお世話になりました。
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前日に偶然バスに乗れたことから、
タクシーを利用する気が全くなくなってしまった。
だって、バスなら160円くらいで街へ行けちゃう。
贅沢気分を味わうためにパラドールに泊まったのに、
そこはちゃっかり貧乏性が出てきてしまうのだった。
こんな絶景を見ながらバスを待つ。
バスを待つのも楽しい絶景。
ちゃんと時間通りにバスがやってきた。
坂をうねうねと曲がって、あっという間にアルカサル前。
アルカサルとは城のことで、11世紀にトレドを支配した
アルフォンソ6世がこの地に城塞を築いたのがその始まり。
1936年の市民戦争では、フランコ軍が籠城した場所だ。
美しい外観だが、現在内部は軍事博物館になっている。
トレドの街はどこを切り取っても絵になる。
何気ない街かどもすべてポストカードになりそう。
トレドの巨匠 エル・グレコが暮らした家
この日、まず向かった先は、エル・グレコの家。
この空間、20年前に訪れた時のことを思い出す。
細い路地が入り組んだイスラム時代の街に
ぽっかりと中庭のような空間があって、
「エル・グレコ美術館」という表記が。
かつてエル・グレコが暮らしていた住居付近の廃墟を修復したもので、
16~17世紀の家具や調度品を置き、その時代の暮らしを再現している。
街全体が中世から変わらない雰囲気なので
何の違和感もない空間。吹き抜けに熱風が……。
邸宅内には、もちろんエル・グレコの作品も展示されている。
建物の一部が美術館になっているのだ。
庭に出て邸宅を見ると、造り物のような気もするが、
トレドにあるからこそ本物だと思える建物。
「当時の暮らしを再現して」とかいう代物は、
どちらかというとあまり興味がないのだが、
ここは、トレドの街全体がリアリティを付加してくれるので、
自分がその時代にお邪魔しているような気分になった。
窓から、先ほど見たぽっかり空いた空間を覗く。
エル・グレコもこんな風に覗いたのかもと思うと楽しい。
ちゃんと整備されている「エル・グレコの家」。
整備され過ぎると興ざめのこともあり、なかなか難しいところだが、
私は十分に楽しめた。
トレドに欠かせない画家エル・グレコ。
ギリシャから移り住んできた画家が、
トレドを愛してトレドに愛されて、
自分の信念をもって暮らしたことを想像させられる場所。
トレドの街をしばらく歩いてた後で、訪れるのが良いと思う。
さて、だんだん昼が近づいてきた。
そろそろ本気で暑くなってくる……。
トレドの夏をなめてはいけない。