スペインひとり旅「さ迷い歩くトレド街歩きその3 サント・トメ教会、そしてトレドにサヨナラ」
2012年8月
この夏は久しぶりのスペインを一人旅。
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マドリッドからアンダルシアへの旅を終え、
現在は古都トレドをお楽しみ中。
この日は、トレドを去る日だ。
目次
さ迷い歩くトレド街歩き その3
トレドのパラドールに一泊。
この日は後ろ髪をひかれながらパラドールの丘をくだり、
再びトレドの街歩きを楽しんでいるところ。
昼が近づくと、だんだん順調に気温が上昇。
前日は43度だったが、この日は果たして……。
午前中に訪れた、エル・グレコが暮らした家で
中世のトレドに思いを馳せたら、
次に向かうのはサント・トメ教会だ。
雰囲気のある街並みが続く旧市街。
独特なタッチの宗教絵画を残した、トレドの歴史に欠かせない人。
そんなエル・グレコの傑作が展示されているサント・トメ教会へ向かう。
サント・トメ教会は、トレド旧市街の西側にある
小さい教会だ。十数年前に歩いた道を思い出しながら歩く。
十数年前、トレドを訪れた時の衝撃は相当なものだったようで、
ほとんど地図を覚えてしまっていた。
今回は観光客がたくさん歩いているので、
十数年前とは、そこは違うのだが。
サント・トメ教会へ迷うことなく到着。
サントトメ教会へ エル・グレコの傑作と出会う
この路地の向こうの小さい広場に教会の入り口がある。
ただ、十数年前とは入り口の場所が変わっていた。
教会の建物はそのままだが、すっかり整備されている。
教会前の広場もすっかり小ぎれいになって。
かわいらしいエル・グレコが入り口を示してくれていた。
十数年前は、右手の教会の入り口から入った覚えがある。
こんなガラス張りの入り口、なかったなぁ。
下の写真の右側の入り口から教会へ入ったような記憶。
その時、だれも広場に居なかった。
本当にここであってるのかなと不安になりながら
ドアを開けた覚えがある。十数年前の春の記憶。
観光資源を守ることは大切。必要な整備だったはずと
自分に言い聞かせながらも、十数年前に訪れた時の感動に
思いを馳せてしまう自分がいる。
十数年前の記憶と感動が違った意味で蘇る
ひっそりと佇むサント・トメ教会。誰もいない小さい広場。
その重い教会のドアを思い切って開けると、
エル・グレコの大作「オルガス伯爵の埋葬」がドーンと現れる。
まさに口をあんぐりと開けるしかなかった。
これが20年前の記憶だ。
今回も、エル・グレコの大作には感動したが、
観光客がたくさんいる中で見る「オルガス伯爵の埋葬」は
十数年前とはずいぶん印象が違った。
4mを超える大作。エル・グレコ独特のちょっと
おどろおどろしいようなタッチ。
見れば見るほど、十数年前の記憶が蘇ってきてしまう。
サントトメ教会は、14世紀のムデハル様式の塔を持つ教会。
狭い路地に建っていて、そばに行くまで
こんなに立派な塔ですら、なかなか視界に入らない。
十数年前は、路地の奥にものすごい絵画を飾っている小さい教会があって、
それを探し当てるような楽しさ、内緒のものを見たような感覚があった。
最初に来た時、見た時の衝撃は何でも大きいものだ。
前に比べたら、今回はがっかりだ。とは簡単に言いたくない。
次に訪れるのはいつになるか分からないけど、
その時はどんな変化をしているのだろう。
どんな変化があっても、それを受け入れようと
どこか覚悟を決めようとしている自分がいた。
センチメンタルとアイス
コソドベール広場へ戻ってきた。
いよいよトレドを去る時。
ちょっとセンチメンタルな気分になった午前中。
時刻はちょうどスペインのお昼時だ。
夏のスペインが熱々になる時間。
広場でアイスを買ってリフレッシュ!
食べながら駅へ向かう。もう電車の時間だ。
一日ぶりのトレド駅。美しい駅舎だ。
古い駅舎がそのまま残されていて本当に良かった。
ホームは新設されて立派になっているけど。
この列車でマドリッドのアトーチャ駅へもどる。
その後はAVEに乗り換えて、
とうとうこの旅の最終目的地バルセロナだ。
いよいよ旅も終盤。夏のスペインを噛みしめる。