「暮らすように旅したい!」 旅のあれこれ ariruariru

勤め人ですが心は旅人。ヨーロッパ中毒気味。「言葉」が大好き。

スペインひとり旅「真面目な旅の話をちょっとだけ カタルーニャのバルセロナで想うこと」

2012年8月

この夏は、久しぶりのスペイン一人旅へ。

マドリッドを拠点に、アンダルシア地方の

グラナダコルドバを訪れ、その後はトレドへ。

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そして旅の最終目的地バルセロナへ。

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目次


たまには真面目な旅の話をちょっとだけ

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2週間のスペイン旅。旅の最後に訪れたのはバルセロナだ。

バルセロナカタルーニャ州の州都として発展した大都市。

スペインには、独特の雰囲気を持った街がたくさんあるけど、

バルセロナはその中でも際立っていると思う。

それはバルセロナがというより、カタルーニャ

たどってきた歴史がこの街をつくっているからだ。

 

ちょっと真面目な話。バルセロナ初日にカタルーニャ音楽堂

訪れて感じたことから、自分なりに想うところができた。

 

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独立問題で揺れるカタルーニャ州

スペインの歴史の中では、イスラムの支配が強かった時代、

その後のレコンキスタなど、その時代に置かれた状況が

今の街の特徴を見事にあらわしている。

今回の旅は、アンダルシアでそれを強く感じることになった。

しかし、カタルーニャの歴史は全然違っている。

 

イベリア半島のほとんどがイスラムの勢力下におかれた時代、

カタルーニャフランク王国の一部だった。

その後はスペインの一部に組み込まれ、独裁政権時代は

カタルーニャの文化を封印されていた。

封印されていたからこそ、文化が他と混じることなく

残ったのかもしれない。

 

今でもバルセロナでは、スペイン語だけでなく、

カタルーニャ語が日常で使われている。

カタルーニャ語の響きは、フランス語に近い。

言葉の成り立ちとしては、フランス語もスペイン語も、

イタリア語もポルトガル語もラテン系に属す言語だ。

だからもちろん、スペイン語とフランス語も語学的には

もともと近いものがあるのだが、カタルーニャ語

よりフランス語に近いように思う。

 

カタルーニャ」だけが特別なのか?

じゃあ、カタルーニャはスペインの中で特別な場所なのか?

そうではないと思う。カタルーニャだけが特別ではない。

まったく同じ歴史をたどる街など存在しないからだ。

アンダルシアだって、バスクだって、それぞれが特別だから。

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(夕暮れが近づくバルセロナの街。美しい街に美しい時間。)

 

島国日本で生まれ育った者から見れば、

陸続きのヨーロッパでは、

国境線や何かを隔てる「線」が、

いつの時代もあいまいだ。

いい意味でも、悪い意味でも。

戦争の時には戦車が超えてくる。

伝染病も、独裁政治も簡単に超える。

今は人もお金も毎日簡単に超えてくる。

 

つまり、どんな文化もどんな風にも

「線」を超えられるということ。

さまざまな文化の濃度が全く同じ場所などないのだ。

 

チョコチップのアイスを食べるように

文化と文化が混じり合うとか、

溶け合うという表現をすることがあるが、

厳密にいうと、そんなことは起きないし、

起きていないのではないだろうか。

 

バルセロナには、スペイン語を話す人と

カタルーニャ語を話す人がいるが、

同じ人がスペイン語を話す時と

カタルーニャ語を話す時もある。

 

文化が完全な形で混じり合うことはきっとない。

チョコチップが入ったバニラアイスのように、

たまたま掬ったスプーンに

チョコチップがいっぱい入っているかもしれないし、

全然チョコが入っていないかもしれない。

 

文化ってそういうものかなと思う。

たまたま見えている部分が「表」だと思ってしまうけど、

それは「表」にも「裏」にも、「側面」にだって

なりえるのだ。

 

チョコチップアイスを、チョコチップが砕け散って

しまうまで混ぜてしまったらどうだろう?

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(暑いバルセロナで食べたアイス。時間と闘いながら急いで食べる。)

 

そうしようとしたのが独裁政権時代だったのかも。

カタルーニャの文化をスペインの文化に

完全に混ぜ切ってしまおうとしたが、

でも、混ざらなかった。

 

私は、チョコチップがごろごろ入っている方が好きだ。

大きな塊がたまに入っていたら、ラッキー!

 

ごろごろと文化のかけらが見つかるような

そんな旅が私の好みだ、ということかもしれない。

 

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