フランス旅「パリとモン・サン・ミッシェルの旅!モン・サン・ミッシェルの夜間拝観へ!不思議の世界に紛れ込む」
2013年8月
この夏は夫とフランス2人旅。
私の夫は、どうやら旅が苦手らしい。
旅が苦手な人なんているの……?
私にはちょっと信じられないけど。
旅中毒の私と、旅が苦手な夫。
さて、どんな旅になるかな?
パリの滞在はこんな感じ
↓
目次
モン・サン・ミッシェルに夜がやってくる
いよいよモン・サン・ミッシェルに夜がやってきた。
とは言っても、夜9時まで明るいフランスの夏だ。
7月から8月にかけて行われている、
修道院の夜の特別拝観へ向かう。
昼間は観光客でごったがえしていた島が
少し落ち着いた雰囲気になった。
日帰りの観光客はもう帰路につく時間だ。
島からの眺めがどんどん神秘的な様相になっていく。
昼間もここまではやってきた。
修道院の入り口へ続く階段へ。
城壁を潜り抜けるように登っていく。
観光客はいるけど、昼間とは大違い。
長い階段を上がっていく。
修道院は島の真ん中の岩盤の上に建っているのだ。
とても複雑な建造物。
どこがどうなっているのか、把握することができない。
神秘的で厳かな光景にゾクゾク!
モンサンミッシェルに静かな時がやってきた。
昼間の喧騒が波が引くように去って、
耳に入ってくる音がやさしい音に変わってくる。
海が美しい。複雑に潮の流れが入り組む光景。
思わずぼんやり眺めてしまう。
修道院の窓からの眺め。
窓自体が素敵だ。
この窓からいろんな人が海を見たのだろうな。
訪れたのは修道院の夜間拝観。
ただ夜に拝観するというわけではなさそうだ。
ライティングと音楽で演出されている。
え!?こんなところで?という感じで、
急にハープを演奏する人がいたりする。
石造りの建物の中に音が響き渡って、
ここがどこだか分からなくなるような。
最初はまだ辺りが明るい時間だったが、
だんだん真っ暗になってくると、
ちょっとおどろどろしい感じも……。
修道院の中よりも、まず私の心を掴んだのは
修道院の中よりも、まず私の心を掴んだのは、
修道院からの眺めだった。
モン・サン・ミッシェルの入り口方面をのぞむと
工事中の風景がジオラマのように見えた。
私たちが訪れた2013年当時、
モン・サン・ミッシェルは長い工事の真っ最中だ。
すっかり観光地となってしまったモン・サン・ミッシェル。
湾内に浮かぶ孤島が、引き潮の時だけ対岸とつながる
という独特の地形が神秘性をより高めていたのだが、
現在のモン・サン・ミッシェルはそうではない。
人工的につくられた対岸からの「道」がある。
そのため、湾内の潮の流れは分断されてしまい、
モンサンミッシェルの周りには土砂がたまってしまう。
それを改善するための大工事だ。
新しくつくっている橋が完成すれば、
今使っている「道」は解体されて、
潮の流れが復活する。
そして、昔のモン・サン・ミッシェルが復活する。
という予定だ。
教会と西のテラスへ!七色に輝く不思議な世界!
標高80mの岩山の上に建つ教会部分へ。
ここではチェロを弾く人が。
高い天井から音が降ってくる。
音色が響いて、幾重にも聴こえる。
七色に輝く窓。教会だけど教会であることを
忘れてしまいそうな、独特の演出に飲み込まれるような。
教会の入り口の前に大きく広がるのは
西のテラスと呼ばれているところ。
西のテラスに呼ばれるように出てみる。
ちょうど日没後の美しい空を見ることができた。
美しい!!しかし……寒い!
半袖に薄手のカーディガンといういでたちの私たち。
パリではこれで大丈夫だったけど、
モン・サン・ミッシェルは、これでは無理だった。
ここは湾内に浮かぶ島なのだ。
あたり前だ。風をさえぎるものなんてない。
対岸でウインドブレーカーを買っておけばよかった!
この日の昼に対岸のお店で物色していた時は、
まさかその日の夜に寒さで震えあがるとは予想できず。
強風とともに、潮の流れが音をたてているかように
みるみるうちに変わっていく。
教会のファザード。
こちらもライトアップされている。
「ラ・メルヴェイユ」は修道士の祈りの場
「ラ・メルヴェイユ」とは「驚異」という意味で、
北面の3階建ての2棟からなる部分のこと。
その建物の美しさから「ラ・メルヴェイユ」と
呼ばれている、ゴシック建築の傑作だ。
「ラ・メルヴェイユ」の最上階にある回廊。
こちらもライトアップされていて、
神秘的な雰囲気に満たされている。
この回廊は、修道士の祈りと瞑想の場だ。
修道院に来ているのだから当たり前のことなのに、
回廊に出て初めて修道士たちの存在を想像できた。
奥行きがわからなくなるほどの列柱。
優美な中庭。ここにはやわらかい空気がある。
モンサンミッシェルで一泊する旅。
一泊したことで、夜間拝観に来ることができた。
人気の観光地を観光シーズン中に訪れるのには
それなりの覚悟がいる。
そして、それなりの工夫も必要。
短い旅の中のさらにたった一泊だけど、
モンサンミッシェルで過ごした夜は
とても大切な夜になった。