「暮らすように旅したい!」 旅のあれこれ ariruariru

勤め人ですが心は旅人。ヨーロッパ中毒気味。「言葉」が大好き。

≒(ニアリーイコール)を楽しむ言葉の世界<その3>「クタクタに疲れる」ことは「空っぽになる」こと?

世界情勢をできるだけ一方向から見ないように

心を鎮めながら過ごしています。

今日は、旅の途中で出会う言葉のお話を。

 

目次

旅の中で出会う言葉

旅の中で出会う言葉は、あいさつに始まり、

言いたいことや聞きたいことが増えるに従って、

だんだん増えていく。

まるで、小さい子どもが言葉を覚えていく様を

早送りしているような感覚。

 

特に一人旅では、言葉の壁を感じずにはいられない。

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 (旅のトラブルにも言葉は欠かせない。スペインマドリッドのホテルにて)

        

ariruariru.hatenablog.com

 

過去の旅の中でも、「言葉」についての思い出が

強く残っているのは、一人旅の時だ。

 

愛情と生活感にあふれる言葉

「一人旅」とはまたちょっと違うかもしれないが、

ホームステイの中で出会う「言葉」は生活そのもので

忘れがたい場合が多い。

過去に、アメリカのサンディエゴ、カナダのトロント

イタリアのフィレンツェでホームステイをしたことがある。

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(イタリアのフィレンツェでホームステイしたお宅のリビング)

 

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(かれこれ30年愛用のジーニアス)

 

ホームステイの時、ホストファミリーから投げかけられる言葉は、

愛情と生活感に満ちている。

「大丈夫?」

「うまくいってる?」

「困っていることはない?」

「お腹空いていない?」などだ。

 

「exhausted」という言葉の意味は?

そんな中で出会った言葉に、「exhausted」(英語)

という言葉がある。

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exhaust」という言葉は、「疲れさせる」「使い果たす」と

日本語では訳され、容器などを「空っぽにする」という

意味もある他動詞だ。

 

exhausted」はそれを過去分詞にした形て、

「I am exhausted.」で「私はクタクタに疲れている。」

という意味になる。

 

しかし、疲れるという意味を表す英語には、

「tired」があり、「I am tired.」で「私は疲れている。」だし、

「I am very tired.」で「私はとても疲れている。」

つまり、「クタクタに疲れている。」という

おおよその意味は、それで表現できることになる。

 

「クタクタに疲れる」ことは「空っぽになる」こと

英語の短期留学のためにカナダのトロントに滞在した時、

ホストマザーは赤ちゃんを育てるシングルマザーだった。

家事はちょっと苦手だけど、さっぱりしたカッコいい人。

当時大学生だった私を、一人前の大人として迎え入れ、

あまり干渉しすぎないように気を遣っていてくれていた。

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(都会と自然が近い街トロントCNタワーからの眺め。)
 

留学先の学校で個人のプレゼンテーションがあり、

その準備と緊張で眠れない夜を数日過ごしたあと、

ホストマザーにかけられた何気ない言葉に

exhausted」が登場した。

 

私の寝不足を気遣って、

「今日は早く寝た方がいい、

 あなたは真面目で努力家だから、

 You're exhausted,aren't you?」

 

その時、ホントに自分の中身が使い果たされて、

まるで空っぽのような状態だなと思った。

日本語の「疲れ切った」や「クタクタに疲れた」

という言葉よりも、「exhausted」の方がぴったりだったのだ。

 

そしてそれと同時に、あまり干渉しないホストマザーの

さりげない愛情で心が満たされるような気持ちになった。

 

「exhausted」≒「疲れ切った」「クタクタに疲れた」

 

「=」では結べない「≒」(ニアリーイコール)の言葉の世界。

 

曖昧だからこそおもしろい言葉の世界

その日から、日本で日本語で暮らしていても、

思う日や思う場面がやってくる。

 

I'm exhausted.」

 

もちろん、いきなり人に英語で話したらびっくりされるから、

心の中でつぶやくだけだけど、その時の自分の状態や気分を

一番表現できる言葉は、日本語とは限らない。

 

そして、私が「I'm exhausted.」と思う時、

同時にふわっと漂うのは、自分の中が空っぽになるまで

がんばった経験や、ホストマザーとの思い出などだ。

言葉は生きていると実感する。

言葉の世界はおもしろい。

曖昧だからこそ。

 

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