旅に出られない旅人はどうなってしまうのか<その11>「お家で旅人。恋焦がれる相手と」
今日は「旅に出られない旅人はどうなってしまうのか<その11>」
にお付き合いください。旅に出ない8月が終わろうとしていますが、
旅に出れない旅人の夏の過ごし方です。
目次
飛行機に乗っているときみたいに
この本を手に取ると、まるで
飛行機の中で読んでいるような気分になる。
すっかり片付けモードの今年の夏。
ガイドブックやら、旅の資料やらに埋もれる
私の本棚には、こんな魅力的な本が並んでいる。
私の本棚に並んでいるのだから、
もうすでに私のものなのに、
私のものになりきれないヤツ。
それは、「TRANSIT トランジット」という雑誌だ。
もう何度も読んでいるのに、
表紙を見るだけでドキドキしちゃう。
装丁と写真がとても美しくて、
どの号でも好みの季刊誌だ。
外国の国際線の飛行機に乗ったときに、
座席ポケットに入っている航空会社の雑誌を
暇つぶしに無理やり英語で読み始めたら
なんだかとりつかれたように結局全部読んじゃう、
みたいな感覚の雑誌だ。
(共感は得られなさそうだけど私にとってはまさにそれって感じ。)
異国情緒が漂っているというだけでなく、
どこか、とらえどころのない部分が
あるのだ。そこが魅力。
発刊第3号、2008年の冬号は
その中でも大好きな一冊。
「特集:スペイン・ポルトガル」
「美しき太陽 追いかけて」
すごい、すごい、すごい!
愛情たっぷりの記事に心をわしづかみにされる。
その土地の魅力を語るのに、
歴史的、文化的な要素についても
結構、文字がうるさくなるほどに書いてある。
そして、ふと「そうかな?」と
思わせられる、ハッとする記事。
そういうところに興味をそそられるのかも。
そして、そして、写真が本当にすばらしい。
魅力的な写真の数々なのだ。
またまたすごいのが、特別付録が、
「イベリア book in book & 半島全地図」って。
イベリア半島大好き人間の私ですら
思わず笑ってしまうほど、
大丈夫か?需要あるか?と
疑いたくなるマニアックさ。
(褒めてます。喜んでいます。)
マニアック、万歳!
付録の表紙のデザインには
サグラダ・ファミリア。
これも、何度見ても素敵だ。
中身はイベリア半島のアートの紹介。
中身もおもしろい。
そしてもう一つの付録、
「イベリア半島全地図」(笑)
私は大満足だけど、私と同じくらい
これを欲している人が全国にどれくらいいたのか
知りたい。(知りたくないような気もする。)
地図は両面になっていて、情報量がすごい。
電車&バスの所要時間から、世界遺産の紹介、
そして紙質といい、色合いといい、
なんか気になる!すべてが最高だ!
恋焦がれる相手
この本を手に入れたころ、
私はすでにポルトガルを4度、
スペインを1度旅行をしたことがあった。
(ポルトガル・ロカ岬。ユーラシア最西端のこの地も2回訪れた。2006年撮影。)
(ポルトガル・エストレモスのポサーダから見る夕日は格別。黙って見たい。2006年撮影。)
ポルトガルについての過去の記事はこちら
↓
イベリア半島の魅力については、
結構よく知っているつもり。
でもなんだろう、この感情、
あぁ、まだまだ魅力を知らないんだなと
思わせられたり、いや人よりは知ってるよ!
と思ってみたり、私の思うのと違う、、とか、
なんだか、感情をかき乱されるというか、
すでに恋焦がれている相手なのに
煽られているような(?)変な気持ち。
イベリア半島に恋焦がれているのか、
この本に恋焦がれてるのか。
いや、どっちもかな。
その後、2012年にスペイン一人旅へ行くのだが、
確実にこの本が影響していたと思われる。
↓
もう私の本棚に長くあるのに、
未だにドキドキさせられるヤツ。
私のものなのに、(お金払って買ったのに)
私のものになりきれないヤツだ。
(ポルトガル・リスボンのレストランで。食後のビッカとアローシュ・ドーセ。)
アローシュ・ドーセのように。
アローシュ・ドーセとは、ポルトガルの甘い甘いデザート。
中にはお米が入っている。
アローシュとはお米のこと。
お米なのに、めちゃめちゃ甘い。
付き合いも長くて、よく知っているのに、
急に違う顔を見せやがって。
みたいな感覚?
どうもいつまでも興味を
惹かれる1冊なのだった。
あぁ、また行きたい、イベリア半島。