旅に出られない旅人はどうなってしまうのか<その12>「お家で旅人。甘い誘惑と、甘くて苦いものに想いをはせる夏」
今日は「旅に出られない旅人はどうなってしまうのか<その12>」
にお付き合いください。いよいよ9月になってしまいました。
でもまだまだ暑い。旅に出れない旅人のせつない夏はまだ続いています。
目次
甘い誘惑
またまた、今回もお家で旅人の話。
そしてまたまた、私の本棚にある
季刊誌の「TRANSIT(トランジット)」だ。
先週の記事はこちら
↓
今回は、2016年秋の33号。
装丁といい、紙質といい、この写真といい、
何もかもが好みにドンピシャ。
もう、表紙を見ただけでとろけてしまいそう。
「特集:美しきヨーロッパ」
「スイートな旅をしよう」
なんということ、、、。
なんという甘い誘惑。
目が「♡」になってしまう。
「パリ、ロンドン、ミラノ、シチリア」だって。
表紙は大好きなパリの街。エッフェル塔だ。
元々、なんでこんなにエッフェル塔の
ある風景が好きなのか、
誰かに解明してもらいたいくらいの私。
2013年の旅
↓
2019年の旅
↓
いったい私は人生でエッフェル塔の
写真を何枚撮るのだろうと、
自分で自分が心配になるくらい、
写真データの中にはたくさんの
エッフェル塔がそびえたっている。
スイートな旅
「TRANSIT」の
甘い誘惑に負けて表紙をめくる。
表紙にある「スイートな旅」とは、
ヨーロッパのスイーツ&喫茶文化について。
甘々なカップルの話ではない。
スイーツとコーヒーの話なども。
コーヒーについては、ちょっとこだわり強め。
↓
フランスやイギリスの伝統的な
お菓子の紹介やその歴史、
スイーツのレシピカードが付録だったり、
甘い甘い食べ物の胃もたれしそうな
内容ばかりかと思って読み進めると、
そうでもないことに気づく。
「甘くて苦いものをめぐる旅」なんて、
いかにもそそられるタイトルが
つけられた記事には、
「大人になるとコーヒーが飲める
ようになるのなぜ?」とか、
「忘れられない甘くて苦い記憶が
あるのはなぜ?」とか、
ちょっと大人の、せつない語りかけで
ぐっと引き込まれる内容だ。
甘くて苦いものとは
「甘くて苦い」とは、決して
スイーツとコーヒーの話だけではない。
人生を思わせる。
そして人生と旅をなぞらえるような切り口も。
読みながら自然と自分をふり返ってみたり、
自分の旅をふり返ってみたり。
(イタリア・ナポリで入った老舗のお菓子屋さん。そっけない感じ。2008年夏。)
↓
苦くて甘いといえば、最初に思いつくもの。
(イタリア・ボローニャにて。食後のティラミスもカフェも最後まで裏切らない美食の街。2015年夏。)
↓
本の中に、
人間は甘いものだけでは飽き足らず、
砂糖を焦がしてカラメルを作った。
人間は貪欲な生き物だ。
とある。
豊かで貪欲な人生には、
甘さだけでなく苦さも必要ってこと?
深読みしながら、
家で「TRANSIT」を読み直す夏。
あぁ、旅に出たい。
シチリアあたりに。