冬のイタリア「ひとりで滞在するフィレンツェ旅!アルノ川で過ごす夕刻。シルエットになっていく美しい街」
2011年12月
この年の年末、急に思いたって向かったイタリア。
大好きなフィレンツェにただただ行きたくて。
自由で気ままな冬の旅をふりかえります。
目次
光をハンティング
前日の夜遅くに到着したフィレンツェ。
何度か訪れたことのある街だけど、
知っているようで知らない冬の街を、
ドキドキしながら歩いている。
夕刻のフィレンツェは本当に美しい。
暗闇迫る冬の街を、美しい空を求めて歩く感じ。
訪れたのは、クリスマスが終わった後の年末。
ヨーロッパではクリスマスから年始までは
クリスマス週間というか、12月全体がクリスマスというか、
まだまだクリスマスの真最中という感じだ。
街はイルミネーションが美しい。
だんだん陽ざしが弱くなっていくのを感じながら、
どこへ向かうというわけでもないのに、
なんだか急いで歩いている。
そして気温が少しづつ下がっていくのを感じながら。
誰もいない小径に逸れては、大通りに戻りを繰り返しながら、
ちょとずつにぎやかな方へ歩いてみる。
陽ざしが弱まってくるこの時間になると
ぐっと寒くなってくるが、
この冬のフィレンツェは比較的暖かい冬だった。
空はまだ少し明るくて、美しい時間。
夏のフィレンツェももちろん美しいけど、
冬の乾いた空気にさらされた街の美しさはまた格別。
アルノ川で過ごす夕刻とは
気づけばぐんぐん歩いていて、
アルノ川へたどり着いていた。
何とも言えない色が街全体を包む。
カッライア橋から、東方向をのぞむ。
トリニタ橋と、その向こうにポンテヴェッキオが見える。
西方向は、まだ太陽の名残が空を覆う。
美しくシルエットになっているのは、
サン・フレディアーノ教会。
このアルノ川の水面の美しさ!
あいまいな空の色を美しく映している。
鏡のようと比喩されるけど、鏡より美しい。
刻々と暮れていく空。
この場所で楽しもうと決めた。
旅の楽しみ方が見えてくる
街を美しく見せるために、演出家が光を当てているみたい。
何もかもが美しく見える。
橋の欄干も、街灯も、橋を渡る人の姿さえも。
だんだん静かに暮れていく。
とうとう完全なシルエットになろうとする建物群。
どんどん光の明度が変わるので、
何枚も写真を撮ってしまう。
太陽はもう沈んでしまったけど、その光の余韻を楽しむ時間。
フィレンツェに滞在する日数とは、こんな風に
フィレンツェのどこかで太陽を見送る回数なんだと思った。
明日はどこでこの時間を過ごそうか。
自由で気ままなひとり旅は、
いつもとは違う旅の楽しみ方の宝庫だ。