≒(ニアリーイコール)を楽しむ言葉の世界<その2>「「ありがとう」という言葉の真意は?」
今日は言葉のお話を書きます。
おつきあいください。
目次
≒(ニアリーイコール)で結ばれる言葉と言葉
旅と言葉は切っても切れない関係だ。
「文化」にはいろいろあるけど、
その中でも興味を掻き立てられるのが「言葉」。
私は「言葉」が好きだ。
=(イコール)ではなく、
≒(ニアリーイコール)で結ばれる言葉と言葉。
そこが魅力的。
「ありがとう」の意味はどこからきたのか?
海外旅行に行く時、できればその土地の言葉を
いくつか覚えておきたいと思う。
それは現地の人とのコミュニケーションに
良い傾向をもたらすと知っているから。
だいたい入り口は、「こんにちは」と「ありがとう」だ。
日本語の「ありがとう」は「有難う」である。
存在することが難しい、貴重なことであるという感じ?
貴重だからありがたいものということで意味が転じたのだと
思うが、なかなか複雑な言葉の成り立ちだ。
「ありがとう」をどう訳そう?
私がよく訪れるヨーロッパではどのように使われている?
特に日本語の「ありがとう」と ≒(ニアリーイコール)で
結ばれる言葉は、日本国内で使う「ありがとう」よりも
かなりの頻出単語だと思う。
(サン・セバスティアンのバル。カウンター越しの言葉のやりとりも旅の楽しみの1つ)
スペイン語の「ありがとう」は「gracias」(グラシアス)、
イタリア語では「grazie」(グラツィエ)。
スペインやイタリアで過ごす時、
一日でいったい何回この言葉を使うだろうかと思うほど、
さまざまな場面で「gracias」「grazie」を使う。
どちらの言葉もラテン語も「GRATIA」からきているらしい。
「GRATIA」は「好意」という意味。
これは、現在の英語の「grace(好意)」とも関連している。
(イタリアミラノで入ったバール。お店の名前はズバリ「grazie」!)
つまり、イタリア語の「grazie」やスペイン語の「gracias」は、
日本語に訳すと「ありがとう」と訳すしかないのだが、
相手に感謝の気持ちをの意味だけでなく、
「好意がある」という本来の意味も含まれるのだと思う。
(私の個人的な解釈です。)
言葉の真意を探る楽しみ
(イタリアのフィレンツェでホームステイした夏。ホストマザーから1日4時間イタリア語を習った。)
言葉を学ぶ楽しみはもちろんのこと、
言葉の真意を探る楽しみも。
日本語の「ありがとう」よりも、「gracias」や「grazie」は
よりカジュアルな場面で相手に好意を持っている、
好感を持っているということを伝えたい場合で
頻発できる言葉なのではないだろうか。
「ありがとう」≒「gracias」「grazie」
決して「=」では結べない言葉と言葉。
お世話になったら、話を聞いてもらったら、美味しいものを食べたら、
何かを持ってきてもらったら、気にかけてもらったら、
そのすべての場面で「gracias!」「grazie!」