旅に出られない旅人はどうなってしまうのか<その20>「列車の旅に想いを馳せる秋」
今日は「旅に出られない旅人はどうなってしまうのか<その20>」。
列車の旅に想いを馳せる秋です。
目次
旅が恋しい今日このごろ
旅が恋しい今日このごろを過ごしている私。
この秋という季節は、なんとまあ
こうも旅情を誘うのだろうかと
若干うらめしく思う。
海外の旅も、国内の旅も、
私の旅は鉄道を使うことが多い。
場所や場合によっては、
車の方が利便性が高いのは百も承知だが、
「列車の旅」がもつ独特の旅情は
私が求める旅要素の大きな1つだ。
列車の旅に想いを馳せる秋
列車に乗ることだけではなく、
こんな風に続く線路を眺めるのも好き。
(北海道の釧路湿原。2016年撮影。)
駅の風情や、ホーム界隈もたまらなく好きだ。
駅舎の佇まい、ホームに電車が滑り込んで
くるときのワクワク感。
決して鉄道オタクではないのだけど、
鉄道オタクの方々の気持ちはわかる気がする。
(2016年夏、釧路駅。ここから北上して釧路湿原をめざす朝。)
その時、その場所だからこそ
その時、その場所からしか見えない光景を
思わぬタイミングで目にできる楽しみもある。
2019年のフランス&スペイン旅。
パリをばたばた出発して乗り込んだTGV。
ボルドー駅に到着直前の車窓より。
ここからしかきっと見えないだろう、
この夕日と水面と遠くの街。
到着したボルドー駅の喧騒もまた素敵だった。
駅を出て改めて駅舎を振り返る。
駅舎も夕日を浴びていて、新しい街でこの日を
見送るんだなぁと思うと、旅をしている実感がわいてくる。
これまでとこれからをつなぐ
旅の中での列車は、ただの移動手段ではない。
その空間、その時間には、
いつもなにかしらの意味があって、
その時にしか感じられないことが待っているのだ。
2012年のスペインひとり旅。
一人で過ごす数時間の列車旅。
思う存分に考え事をする時間。
カフェ車両でコーヒーを飲みながら。
作り物じゃないかと思うような
スペインの夏の空を眺めて、一息つく。
そしてグラナダ駅に到着。
ここからの新しい旅の決意のようなものが
わいてくる気がする。
街から街へ移動する列車は、
旅の中ではいつもちょうどよい
こころのリセットの時間。
これまでの旅と、これからの旅をつなぐ時間。
そして、大げさに言ってしまうと、
これまでの人生と、これからの人生をつなぐ
大事な時間と空間だ。
考え事をしに、列車の旅へ行きたい。
それ自体を目的とした旅に。
あぁ、ちょっと感傷的になってしまった。
これもやっぱり、秋のせい?