旅に出られない旅人はどうなってしまうのか<その36>「おうちでひとりでふり返る、世界の駅からこんにちは」
今日は「旅に出られない旅人はどうなってしまうのか<その36>」。
恋しい旅を思って過ごす旅人の休日です。
目次
世界の駅からこんにちは
相変わらずの、旅に出られない日々。
先週は、おうちでひとりで
今日もおうちで、恋しい旅を想いながら
過ごすことにする。
というわけで今日は、おうちでひとりで
「世界の駅」をふりかえってみようと思う。
私は、列車の旅が好き。
列車は移動手段であるだけでなく、
その空間時間そのものも旅の一部になる。
旅の途中にふと旅を振り返るような時間を持てたり、
ぼんやり頭の中を空っぽにしたり。
時に列車に乗っている間に国境を越えるという、
日本では味わえない「ワープ」感覚を味わえる。
そんな列車の旅の始まりと終わりは、
駅に始まり駅に終わるわけで、
駅そのものにも、思い入れや
旅情を感じずにはいられないのだ。
アトーチャ駅の演出
さて振り返るのはスペイン。
2012年の暑い夏真っ盛りに
ひとりで訪れたスペインは、私の大好きな国の1つ。
マドリッドの主要駅の1つが、このアトーチャ駅だ。
どこが駅なの?という、この写真。
わずかに駅っぽいのは天井のみ。
どう見ても植物園だ。
実はこのエリアは広ーい待合室(待合所?)。
元々はプラットホームがあった場所だが、
そこが広い室内の広場のようになっている。
二十歳そこそこで初めて訪れた時は、
この植物園風の待合所にただただ困惑した私も、
その後訪れた時にはそのすばらしさに感動。
街中の主要駅のこんなに広いスペースに、
緑豊かなエリアを設けたその演出。
あぁ、また旅に行って、列車の時刻を
気にしながらベンチに腰かけたいなぁ。
いつもお世話になっている地下鉄
マドリッドといえば、地下鉄の入り口も素敵。
旅先で一番お世話になる列車は、地下鉄だ。
こちらは「グラン・ヴィア駅」の入り口。
地下鉄の駅のホームなんて、どこも無機質に思いがちだけど、
やっぱり国によって都市によっても違っておもしろい。
こちらは、グラン・ヴィア駅のホーム。
ヨーロッパの都市の地下鉄でよく見る、
バーを持ち上げてドアを開けるタイプの車両。
マドリッドの駅でみかける改札。
テーマパークの入り口みたいなしくみ。
慣れるまでは。あたふたしてしまう。
懐かしいな。
最古たる雰囲気を存分に醸す
19世紀の終わりに開通したという古い地下鉄だ。
ハンガリーを訪れてみるまで、
そんな事実をまったく知らなかった。
とても浅いところを走っている。
この階段の下は、もうホームなのだ。
世界で、ロンドン、イスタンブールに次いで3番目に古い。
ちなみにイスタンブールの地下鉄は、
しくみが異なるため、ブダペストの地下鉄が
ユーラシア大陸最古と紹介されることも多い。
いかにも!という雰囲気を醸し出している。
もう、このレトロさがたまらない。
ごつごつしてるのに丸みを帯びた車体。
生活に密着した地下鉄に乗ると、
その街に暮らしている気分になる。
だからこそ、列車が好き、
駅が好きなのかもしれない。
初日のドギマギ感、あたふた感。
それも楽しいし、数日経ってスマートに
改札を通り抜けられた時の爽快感、
路線図を確認しなくても
ホームにたどり着けたときの達成感も楽しい。
旅を終えるころには、もう何も気にせずに
地下鉄に乗っているだろう。
そう、まるで地元の人みたいに。
そんな旅がまたしたい。
そんな旅がまたできるはずだ。