旅に出られない旅人はどうなってしまうのか<その35>「おうちでひとりでふり返る、世界の車窓から」
今日は「旅に出られない旅人はどうなってしまうのか<その35>」。
恋しい旅を思って過ごす旅人の休日です。
目次
膨大な写真の中
相変わらずの、旅に出られない日々。
今日もおうちで、恋しい旅を想いながら
過ごすことにする。
過去の旅の写真の整理をしながら。
旅に出ることだけでなく、
旅先で写真を撮るのも私の趣味。
一回の旅で何百枚も量産してしてしまうため、
その後の処理をそうするか、いつも悩みどころだ。
そんな膨大な過去の写真も、
このコロナ禍で結構片づいてきた。
旅そのものを記録残したいのなら、
動画の方がいいのかもしれない。
でも私は動画にはまったく興味がない。
旅の写真は、旅そのものを思い出させる、
鍵のような役割を果たしている。
そしてたまに、現実よりも印象的な
一枚が取れていることがある。
本当に自分が見た風景だろうかと、
本当に自分の目の前の光景だったのかと、
疑いたくなるような一枚。
それも写真の魅力だ。
世界の車窓から
というわけで、今日は
ひとりで「世界の車窓から」を。
まずは、2019年のヨーロッパの旅。
この夏は、フランスのパリから入って、
こちらは、ボルドー駅を出発するところ。
ヨーロッパの駅舎の美しさよ!
高い屋根の骨組みが織りなす影も、
こんなに大きな時計も、どれもが素敵。
パリのオルセー美術館の所蔵されている、
クロード・モネが描いたパリの「サン・ラザール駅」。
私が大好きな絵なのだが、
昔、初めてあの絵を見た時、
絵そのもののすばらしさというより、
モネが見た、当時の近代化の象徴的な
駅舎や鉄道に目を奪われた。
オルセー美術館を訪れた様子はこちら。
↓
美しいヨーロッパの鉄道駅を見ると、
いつもあの絵を思い出す。
ボルドーを出発したTGVは、
とても静かにのどかな風景を走る。
まわりはずっと田園風景。
どんどん南下して、スペインとの国境近くへ。
車窓をのんびり楽しむのにうってつけの席。
たまたま安く購入できたTGVの一等席。
2階だから眺めのいいし、2人で向かい合って
座れるのでのんびりくつろげる。
さらにはおいしいサンドイッチとコーヒー。
完璧だ。
旅の様子はこちら。
↓
肌寒い早朝の駅で
ところかわって、こちらは
カナダのバンクーバーの早朝。
2018年の夏の旅だ。
まだ薄暗い朝の駅。真夏なのにちょっと肌寒い。
バンクーバーのセントラルパシフィック駅。
緊張しながら、カナダからの出国と
アメリカへの入国の手続きを終えて、
いよいよ列車がゆっくりと動き出す。
目指すはアメリカのシアトルだ。
こんなに大きくて重たい車体を
ものすごい馬力で走らせていることが
わかるような、唸るようなエンジン音を立てながら。
海岸線を南下するのだが、
いかにも大陸を走る鉄道といった感じ。
車窓から見えるのは、近代的な街だったり、
こんな自然いっぱいの海岸線。
どことなくもの悲しくて、憂いを帯びた色合い。
遠い昔、ヨーロッパ人がアメリカを開拓したころ、
西海岸へたどり着いたときも、
こんな風景だったんじゃないかと想像するくらいだ。
アムトラックの古い車体は、スピードのわりによく揺れて、
旅人に、ひと時も列車に乗っていることを忘れさせない。
旅のお供は、濃くてたっぷりのコーヒーと
甘くて目が覚めるシナモンロール。
旅の様子はこちら。
↓
ごとごと列車に揺られる旅。
懐かしくて、懐かしくて。
ひとりでふり返る「世界の車窓から」。
列車の旅は、どこか哀愁が漂う気がする。
また揺られに行こう。次はどの路線へ?