≒(ニアリーイコール)を楽しむ言葉の世界<その21>「旅を想う、タルトとトルタ」
「≒(ニアリーイコール)を楽しむ言葉の世界」
と題して、旅や言葉の話を書いています。
目次
旅を想わずにいられない
旅に出られない休日。
こんな雑誌をパラパラとめくってみる。
お菓子作りが趣味なわけでもなく、
カフェめぐりが趣味でもない。
嫌いではないけど。
でもこの雑誌の中には、私にとって
ものすごく魅力的な記事がある。
「世界の郷土焼き菓子の魅力」というページだ。
これはもう、旅を想わずにいられない。
そのページに、ヨーロッパの菓子の話があった。
イタリアのコーナーでは、
ローマのパンジャッロ、ナポリのスフォリアテッレ、
スペインのコーナーでは、
アンダルシアのポルボロンなどが紹介されている。
スフォリアテッレが恋しい話は以前にも。
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コーヒーに甘いもの
私は無類のコーヒー好き。
コーヒーはブラックでしか飲めない。
特に甘いもの好きというわけではないが、
ブラックコーヒーと相性の良いお菓子も大好きだ。
たっぷりのブレンドコーヒーと合わせる、
フルーツのマフィンとかも好きだし、
カフェオレといただくマカロンも好き。
エスプレッソとティラミスなんて組み合わせも。
(2015年夏のイタリア・ボローニャの夜にテラス席で。)
甘い誘惑には弱いのです。
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そして、ヨーロッパは伝統的な焼き菓子の宝庫。
フィナンシェ、タルト、マドレーヌ、パイ、
ブラウニーにサブレ、、、。
(2019年フランス・ボルドーにて。カヌレとマカロンで朝ごはん。)
ほとんどがフランス発祥の伝統的なお菓子で、
フランス語の名称のまま、日本でも食べられている。
タルトとトルタ
例えば、「タルト」という言葉は、
フランス語の「tarte」から。
スペイン語では「tarta」になり、
イタリア語では「torta」だ。
(2019年スペイン・サンセバスティアン。お菓子屋のショーウインドーを眺めるのが楽しい。)
ただし、イタリア語の「torta」には、
お菓子全般をあらわす意味もあって、
タルトケーキ以外のケーキも「torta」と呼ぶ。
発音は「トルタ」で、日本語では
「タルト」のさかさま言葉になり、若干ややこしい。
ややこしいというか、言い間違えてしまいそうになる。
まぁだいたいのシチュエーションでは、
「トルタ」を「タルト」と言いまちがえたところで、
大した問題にはならないと思われる。
日本で「タルト」を「トルタ」と言い間違えると
何それ?となるのでちょっと恥ずかしいけど。
これらの言葉は、すべてラテン語の
「TORTA」(ねじれたの意味)を
語源としているらしい。
イタリア語はそのまま使っていることになる。
古い時代から小麦粉をこねて「ねじって」
つくられてきた「トルタ」の数々。
(2003年冬のドイツ・ベルリン。寒い街歩きの後は体が欲するコーヒーと甘いもの。)
もっともっと旅先で味わってみたいなぁ。
これから先も。