「暮らすように旅したい!」 旅のあれこれ ariruariru

勤め人ですが心は旅人。ヨーロッパ中毒気味。「言葉」が大好き。

≒(ニアリーイコール)を楽しむ言葉の世界<その16>「ポルトガル語のリズムと郷愁【後編】」

土曜日は、言葉のお話を書いています。

今日は「ポルトガル語のリズムと郷愁<後編>」です。

 

旅中毒にはなかなかつらい「今」ですが、

また旅に出る日を想いながら書いています。

ariruariru.hatenablog.com

  前編はこちら

         ↓

ariruariru.hatenablog.com

 

目次

 

「オブリガーダ」と言いたい!

すっかり虜になってしまった

ポルトガルの旅。

f:id:ariruariru:20200628154403j:plain

(黄色のケーブルカーに魅せられるリスボンの街歩き。2002年に撮影。)

 

そんなポルトガルの旅で、

私が一番発したポルトガル語は、

「ありがとう」という意味の

「obrigada」(オブリガーダ)だろう。

 

ポルトガル語は、フランス語やイタリア語、

スペイン語と同じくラテン系の言語で、

言葉には性別がある。

 

最初はそれがとっつきにくくて、

学ぶ意欲が失せてしまったりする。

イタリア語を学ぶ時、まあまあ最初に出会った壁だ。

だって、言葉に性別があるっていう感覚は、

日本語が母国語の私たちにはなかなか理解しがたいし、

しかも法則がほとんどないからだ。

 

でも次第に、私はそれが愛おしくなってきた。

なぜ駅は女性で、電車は男性なのか。

なぜ手は男性で、脚は女性なのか。

なんだか哲学的な匂いすら感じておもしろい。

 

言葉のリズムが心地いい

それはさておき、ポルトガル語の「ありがとう」は

男性が発すれば「obrigado」(オブリガード)となり、

女性が発すれば「obrigada」(オブリガーダ)となる。

 

ポルトガルの人は、あまりはっきりと発音しない。

特に語尾は消えかけるように口の中で

ムニョムニョ……と言う。

 

f:id:ariruariru:20200628154742j:plain

ポルトガルの人は、シャイだけど優しくてホントはちょっとおせっかいなとこもある。

みんな、親戚のおばちゃんとおじちゃんみたいな気がしてくる。2006年撮影。ビカ線の運転士さん。)

 

ポルトガルの人はどちらかというとシャイな感じで、

おしゃべりは好きだけどハキハキと話す感じではない。

ポルトガル語を学ぶなら、それは難点のひとつだが、

この言葉のリズムが心地いい。

長調ではなく短調の響きにも似た、

ちょっと哀愁漂う感じだ。

ポルトガルの民謡、ファドの雰囲気そのもの。

 

同じラテン語系のイタリア語とはまったく違う。

イタリア語ははっきりと口を大きく開けて発音する印象だ。

でもそれが、自分の意見を堂々と朗々と語る

イタリアの人にはやはりぴったりだ。

 

旅の思い出と言葉の楽しみ

ポルトガル人のように、

そっけなく「オブリガーダ」と言いたくて、

旅の道中、何度も言ってみる。

今の、ちょっとポルトガル人っぽかったかな?

などと思いながら。

 

旅の楽しみに言葉の楽しみはいつもくっついてくるものだ。

私の中では「オブリガード」という言葉は、

単に「ありがとう」という意味ではない。

 

f:id:ariruariru:20200628155035j:plain

(ロシオ広場からカステッロを。のどかな首都リスボン。2006年撮影。)
 

旅の思い出とか、憧れとか、郷愁とか、哀愁とか、

もっともっと深く大きな意味を持っているのだ。

 

(終わり)

 

過去の「≒(ニアリーイコール)を楽しむ言葉の世界」はこちら

    ↓

ariruariru.hatenablog.com

ariruariru.hatenablog.com

 

にほんブログ村 旅行ブログ ヨーロッパ旅行へ
にほんブログ村  


にほんブログ村

にほんブログ村 旅行ブログへ
にほんブログ