イタリア旅「永遠の憧れ ヴェネツィア」
目次
永遠のあこがれ「ヴェネツィア」
イタリアは見どころの多い国だ。
世界でもっとも多くの世界遺産を抱える国。
土地土地の特徴は魅力的で、
日本人の味覚に合う料理も多い。
人は陽気で、シャイな日本人にもぐいぐい迫ってくる。
そんなイタリアの中にあって、
多くの人があこがれる街は、
やっぱりヴェネツィアではないだろうか。
ちょっと背伸びした旅へ
私がヴェネツィアを訪れた時、
20代前半のまだ何も知らない、
まだ何者でもない存在だった。
ヴェネツィアを旅するには、
まだまだ早いと自分でも思ってたのを覚えている。
きっと大人になったら
私はまたヴェネツィアに来るに違いない。
ヴェネツィアに似合う大人になったら。
そんな気持ちでヴェネツィアを訪れていた。
街の中心地といってもいい、
リアルト橋のたもとにある「ホテル・リアルト」を予約した。
とても素敵なホテル。
迷路のようなホテルの中は、
それだけで私をワクワクさせた。
決して眺めが良いわけではない部屋。
でも部屋の窓から毎朝オレンジの屋根を眺めた。
近くの教会の鐘が調子はずれの音を鳴らす。
それも楽しくて、ドキドキした。
ヴェネツィアのホテルはどこもいい値段。
狭い土地では大きなホテルは建てられない。
ツアーなどで訪れる団体客は、
ヴェネツィアから少し離れたホテルに泊まる。
でもどうしてもヴェネツィアの島内に泊まりたくて、
無理して予約したホテルだった。
ヴェネツィアの街を歩けば
迷路のようとはよく言ったものだ。
地図さえあれば普段は迷うことのない私も、
ヴェネツィアでは毎日迷子になった。
サンマルコ広場へ。
毎日のようにサンマルコ広場へ行くのだけど、
いつのまにか違う道を通っている。
地図を見ても無駄だと知ってからは、
道のあちこちにひっそりと書いてある案内が頼り。
まあでも、どうにかちゃんと広場には出れるものだ。
鐘楼の上からは、
まさにこれが見たかったのだと思わせる眺め。
ヴェネツィアはやはり特別な場所だと確信する。
再訪を誓って
若かりしころ、まだ早いと思いつつ訪れたヴェネツィア。
あれ以来、実はまだ再訪はしていない。
イタリアへは何度も訪れたのだが、
ヴェネツィアへは足を向けていない。
「まだ」かなと思う。
きっと再訪するときが自然にやってくるだろう。
そんな気がしている。