旅に出られない旅人はどうなってしまうのか<その33>「逃避行の予感?旅とヨーロッパが恋しい。そして鉄道も。」
今日は「旅に出られない旅人はどうなってしまうのか<その33>」。
久しぶりに手に取った本から懐かしさがあふれ出ます。
目次
途方に暮れる旅人
旅が恋しい今日このごろ。
この「今日このごろ」が長くなってしまって、
途方に暮れている旅人がここにいる。
本棚の隅にこんな本を持っていた。
久しぶりに手に取ってみる。
発行年を確認したら2014年だった。
久しぶりにページを開いてみると、
ヨーロッパの地図、路線図が載っている。
もはや、これを見るだけで涙ぐみそうになる。
ヨーロッパ欠乏症、旅欠乏症の今。
でも、実はもう一つ欠乏しているものがある。
それが、鉄道だ。
鉄道欠乏症?
ヨーロッパそのものが懐かしいだけでなく、
旅そのものが懐かしいだけでなく、
実をいうと、鉄道も懐かしい。
私は決して鉄道オタクではないのだが、
ヨーロッパの鉄道にロマンや憧れを持っている。
例えば、この本でも紹介されている、
「渡り鳥ライン」
「渡り鳥ライン」とは、列車の車両ごと船に積み込み、
その後再び陸路のレールに結ばれているルートのこと。
2016年の旅では、渡り鳥ラインに乗りたいがために
というルートを選択した。
橋が架かる予定があり、いずれこの渡り鳥ラインも
なくなってしまう。その前にぜひ!と思い立った旅だった。
実際にこのルートは、2019年12月14日をもって
廃止されている。
駅舎も喧騒も懐かしい
2016年の旅で利用したコペンハーゲンの駅。
いかにもヨーロッパの鉄道の駅舎らしい風情に、
旅情を求める心が躍った。
そして、渡り鳥ラインを使って到着した
ドイツのハンブルク中央駅。
この写真を見るだけで、耳のそばに
駅の喧騒が鳴るような気さえがする。
大きな駅が小さく感じてしまうような人混みと、
雑多な音や雑多なにおいにまみれた感じ。
しかもホームの1つは大々的に工事中。
その雑多な感じが駅の魅力の1つかもしれない。
1階にホームが並び、2階から降りていく構造の
この駅舎、いつまでも眺めていたくなる。
逃避行へ出る予感?
何がそんなに魅力なのか自分でもわからないけど、
古めかしいヨーロッパの鉄道駅を見ると、
どこにでも行けそうで、どこにでも行っていいと
言われているようで、無限の選択肢を
与えられたような気分になる。
実際の旅では、車よりも鉄道の方が
移動手段としては制約が多いのに。
いうなれば、鉄道の方が不自由なのだ。
不自由なのがもどかしくていいのか?
不自由な逃避行へでも出る予感が
するからだろうか。
そもそも、逃避行、、、って何だ?
乗るはずだった列車に乗らないという選択肢もある。
そんなことしたことないけど。
この日は、ブダペストからベルリン行きに乗った。
もちろん、予定通りに予定通りの列車に乗る。
逃避行とは何か、辞書を引いてみた。
逃避行とは、
世間をはばかることがあって、
あちこち移り歩いたり、
隠れ住んだるすること。
私には特に、思い当たるような
「世間をはばかること」はないけど、
あちこち移り歩いたり、
隠れ住んだりしたいという欲求が、
確かにある。
それを旅に求めているのかも。
どうやら、私の旅の目的は逃避行だったようだ。
だから旅に行けないと息苦しいんだな。
謎がひとつ解けたかもしれない。