冬のイタリア「ひとりで滞在するフィレンツェ旅!最後の晩餐をハシゴ!猫がいないオーニッサンティ教会?」
2011年12月
この年の年末、急に思いたって向かったイタリア。
大好きなフィレンツェにただただ行きたくて。
自由で気ままな冬の旅をふりかえります。
目次
オーニッサンティ教会へ
お天気の良いこの日。
向かった先は、オーニッサンティ教会だ。
教会自体も訪れたい場所の1つだけど、
この教会には興味深いまたまた「最後の晩餐」がある。
この日の午前中は、「最後の晩餐」のハシゴ。
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オーニッサンティ教会は、
アルノ川に面した広場に建つ教会で、
もとは13世紀に建てられた建物を
17世紀に大幅に手直しして今に至る。
内部は少し暗くて奥行きが深い。
ここには、ボッティチェリのお墓がある。
ひとつひとつの礼拝堂なども見ごたえがあって、
興味深い。
一通り、教会の中をぐるっとまわったら外へ出る。
なぜなら、ここに来た目的はこの聖堂だけではないから。
異空間に連れ去られた先には
聖堂の入り口より少し西側にある、
ひっそりと存在感を消している扉を開けると、
修道院の食堂へと続く通路があるのだ。
この通路がまた美しくて、
まさに異空間へ連れさられる気分。
光を放っていたのは、美しい回廊だ。
均一に描かれたアーチに目を奪われる。
街の中にぽっかりと開いた空の入り口のような回廊。
本当に静か。ちょうど年の瀬に訪れたので、
いろいろと考え事をしたくなるような空間だ。
猫と最後の晩餐
回廊を抜けた先が、修道院の食堂。
この食堂の壁にあるのが、
ギルランダイオの「最後の晩餐」だ。
この日は朝から2つの「最後の晩餐」をハシゴ。
そして、ギルランダイオの「最後の晩餐」も2つ目だ。
1つ目の「最後の晩餐」は、サンマルコ美術館。
数日前に訪れたサンマルコ美術館
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2015年にサンマルコ美術館を訪れた時のもの
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こちらは、サンマルコ美術館にある
ギルランダイオの「最後の晩餐」。
構図はどちらもほぼ同じ。
でも少しだけ違うところがある。
同じテーマでも細かなモチーフが違うのだ。
使徒が座っているテーブルの位置なども少し違う。
そして違うといえば、この猫。
サンマルコ美術館の「最後の晩餐」には猫がいて、
オーニッサンティ教会の「最後の晩餐」には猫がいない。
サンマルコ美術館の「最後の晩餐」は、
現在は土産物などを扱う商店がある部屋の壁にある。
そこがもともとサンマルコ修道院の食堂だった。
土産物を物色して振り返るといつも思う。
「あ、猫がいる」って。
猫はこちらを向いているのだ。
どうしてこっちには猫がいて、
あっちには猫がいないんだろう。
想像力を掻き立てられる面白さがある。
週に3回午前中しか開いていない。
この旅の後もフィレンツェには何度か行ったが、
実はこの旅の一度しか、オーニッサンティ教会の
ギルランダイオ「最後の晩餐」には出会えていない。
猫に想いを馳せるフィレンツェの旅。
まだまだ行き足りない、歩き足りない街だ。