デンマーク&ドイツ&スイス旅「憧れの夜行列車に揺られて<ハンブルクからチューリヒへ>」
2016年8月
この夏は北欧から旅をスタート。気心知れた友人との2人旅だ。
デンマークのコペンハーゲンから電車でドイツのハンブルクに入り、
夜行列車でスイスのチューリッヒをめざす旅。
ヨーロッパの鉄道の旅にはこんな本がおもしろい。
次の旅の計画を立てる時にいつも熟読。
鉄道の旅が好きだ。
ヨーロッパの鉄道旅は、旅情をかきたてられる。
日本では味わうことのできない、
鉄道で国境を超えるという、大陸旅の醍醐味。
この日はとうとう、ドイツのハンブルクを出発だ!
目次
とうとう憧れの夜行列車の旅へ!
港町ハンブルクで、郊外の知り合いを訪ねたり、
ブレーメンを訪れたり、のんびり過ごした数日。
この日は、とうとうハンブルクを出発する。
夜8時。ヨーロッパの夏の8時はまだ明るい。
ホテルに預けていたスーツケースを取りに行って、
徒歩3分のハンブルク中央駅へ向かった。
今回は夜行列車の旅。夜行列車で国境を超える。
日本でもそうだが、ヨーロッパでも夜行列車の本数は
だんだん減少している。
高速の列車がどんどん走るようになり、
夜を徹して列車を走らせる必要はなくなってきたのだ。
でも、夜行列車というこの響き!
なんとも旅情を掻き立てられるものだ。
ヨーロッパの旅で何度も乗ってみたいと思っていたが、
安全面などを考えると、なかなか乗る機会がなかった。
今回、ようやく念願のヨーロッパ初夜行列車の旅なのだ。
ユーロナイトの個室は?走るホテルだ!
今回乗るのは、「ユーロナイト」と呼ばれる夜行列車。
約12時間の列車の旅だ。
この旅を計画していたころ、ユーロナイトが廃止になる
方向だというニュースを知った。
乗れるうちに乗っておかなければ!と思い、
今回の旅の行程は決まったのだ。
(現在、ユーロナイトはもうなくなってしまったが、
違う形で夜行列車は運行されているようだ。)
わくわくしながらホームで待っていると、
予定より少し遅れて赤い列車が滑り込んできた!
うわー、楽しみ!寝られるかな?ワクワクドキドキ……
早速、乗り込む。私たちの部屋は……?
今回は奮発して、トイレとシャワー付の個室を予約した!
なかなかの値段だが、一泊ホテルに泊まるのと
移動するのを同時にするのだから、
そんなに高額ではないと自分に言い聞かせて……
個室の部屋の中はこんな感じ。
2段ベッドになっている。上のベッドからはこんな眺め。
落下防止のためのベルトが付いていた。
友人と上のベッドか下のベッドか話し合った上、
私は上のベッドに決まった。
そうなると急にここが自分の城に感じるから不思議。
トイレとシャワーはかなりコンパクトだけど、
タオルも付いているし、さながらホテルの客室のよう。
洗面台が動くようになっていて、シャワーの時には
トイレ側に動かすというしくみ。なるほど!うまくできている。
洗面においておるコップには、歯磨き水?が入っている。
これで口を濯ぐと歯磨き完了らしい。
ペットボトルの水も付いていて、なかなか居心地が良さそうだ。
美しい車窓からの風景に、無言の時間と空間
個室の中をなんだかんだとやっているうちに
少し定時は遅れたが、順調に出発したようだ。
車窓からは暮れ行くハンブルクの港。
ハンブルク、さようなら!
長い夏の日もようやく暮れてきた。
車窓からは、ハンブルクらしい眺め。
しばらくすると、車掌さんが部屋にやってきた。
検札だけでなく、ホテルのフロントのように
部屋の中の使い方や、朝食の時間などを教えてくれる。
それもまた新鮮!
車窓の風景は、しばらく走ると美しい夕景になった。
すごくきれいだー!
思わず、何もしゃべらず車窓を食い入るように眺めた。
説明の要らない絶景と、あふれる旅情がたまらない。
なんかちょっと切なくなるような。
泣きたくなるような美しい眺めだ。
一人だったらきっと涙が出ていたかも。
刻々と変わる空の色と、流れる風景。
何も話す必要ながない。
ただただこの景色を見つめるだけ。
無言の時間と空間がそこにある。
電車の揺れがとても心地よかった。
今日の夕陽は、ハンブルク発のユーロナイトから。
いい旅になりそうな予感。
わくわくしながら、真っ暗になるまで
静かに車窓をみつめる。