≒(ニアリーイコール)を楽しむ言葉の世界<その5>「フランスで出会う、フランス語で出会う、曜日と神様」
自分の心を鎮めながら、今日は言葉のお話を書きます。
目次
初めての「旅」はフランスへ
学生時代、アメリカやカナダに短期留学した経験がある。
それは、英語を学ぶことが主目的だった。
海外経験と言えば、もちろんその留学が大きな経験だが、
私にとっての「旅」という形の海外経験は、
留学よりも後のことだった。
(2019年夏。4回目のパリ。)
学生時代に初めて海外旅行した先はフランス。
パリに10日ほど滞在した。
元々はイギリスに行こうとしていたのだが、
直前にロンドンでテロ事件が発生し、
行き先を変更してのパリだった。
英語じゃない外国語と出会って
大学の第2外国語の授業でフランス語を選択していて、
単語程度はわかるつもりでいたのも、
行き先をパリに変更した理由の1つだったかもしれない。
フランス語と出会って知った新しいことが数々ある。
「外国語=英語」だと思っていた私に、
世界の言葉のおもしろさを気づかせてくれたのもフランス語だ。
今でも私の本棚に残されている、こんな本がある。
元来、比較的まじめなタイプなもので、
フランスに旅先を変更した時に購入した、ベルリッツの本。
かれこれ20年以上私の本棚にある、旅の思い出だ。
値段は1200円とある。
当時の私には高かったに違いない。
中には書き込みやアンダーラインがいっぱいで、
今よりもずっと、旅先の言葉を予習しておこうという
意欲が感じられ、懐かしくて新鮮で当時の自分がかわいくて、、、
という1冊。そして若干、現在の反省も。
最近はスマホに頼って、勉強を怠っているなと。
フランスで出会う、フランス語で出会う
私の本棚には、さっきとまったく同じサイズのこんな本もある。
こちらは、フランス旅行の際に現地で購入したベルリッツの本。
フランス語を英語で解説しているものだ。
フランスへの旅で、日本語→英語、英語→日本語という
平面構造しかなかった私の頭の中の言語のスペースが、
急に立体構造になった感じだった。
「曜日」と「惑星」がフランスで出会った
フランス語を知ったことで当時の私に衝撃を与えたこと。
たくさんあるけど今日はその1つを。
それは、「曜日」と「惑星」の出会いだ。
中学校の時に単純に丸暗記した英語の曜日。
火曜日=Tuesday
水曜日=Wednesday
木曜日=Thursday
金曜日=Friday
当時はその語源が何かも、日本語の曜日の語源にも
興味を持つことすらなかった。
高校になると、惑星の名前を丸暗記した。
火星=Mars
水星=Mercury
木星=Jupiter
金星=Venus
フランス語の曜日は、
火曜日=Mardi
水曜日=Mercredi
木曜日=Jeudi
金曜日=Vendredi
何……これ!?
フランス語の曜日は、英語の惑星と関係が?
フランス語を知って、私の中で
英語で学んだ「曜日」と「惑星」が出会った瞬間だった。
言葉は時空を超える万能の道具!
第2外国語として、週に2回2年間も大学で
フランス語を学んでいたのに、
フランス語のおもしろさをフランス旅行に
行くまで知らなかった私。
フランス語と同じようにラテン語から派生した
イタリア語なども、ほぼ同じような曜日や惑星の呼び方を
していることを知った。
そしてそれは元々、古代ギリシャの人々が惑星を神々の名前で呼び、
それをローマの人々がラテン語に当てはめたということも。
つまりは、「曜日」は「神様」だったのだ。
(2013年夏。パリのノートルダム大聖堂にて。神様の存在を感じる空間。)
言葉は、人と人とをつなぐコミュニケーションの道具。
でも、それだけじゃない。
言葉は、時空を超えて古代と私をもつなぐ、
万能の道具であり、文化そのものだ。
言葉をつないできてくれた先人の皆様に
心から感謝したいと思います。
Thank you、 Merci、 Grazie、 ありがとう、Obrigada……
(あぁ、またこの言葉の成り立ちも気になる…。)
フランス&スペイン旅「ワインとバスクの旅!ビルバオの交通事情とバスクを旅して思うこと」
今日もいろいろ悩みながら、旅の復習をしています。
2019年8月
この夏は、友人との2人旅。
ビルバオと大西洋側を南下する。訪れたかった場所をめぐる旅。
さあ、2週間のワインとバスクの旅へ!
目次
なぜビルバオに来たのか
旅の最終目的地ビルバオにとうとう着いてしまった。
産業と文化の中心地となる街だ。
かつては鉄鋼や造船といった産業で名をはせた。
学校の社会の授業で習った覚えがある。
しかし、20世紀末になると産業は衰退してしまった。
かつての活気を失ったビルバオで都市再生に一役買ったのが
アートによる都市再生プロジェクト。
現在では、現代アートの中心都市として知られるようになった。
街歩きの中でも、不思議な目を引くような建物が多く見られる。
古い建物が並ぶ中にガラス張りの近代的な建物。
中にはこんな不思議な形のものまで。どうなってんの?
地下鉄の入り口はこんなだし。
そんなビルバオ、私たちが旅の最終目的地にしたのは、
ビルバオに空港があったからだった。
帰りの飛行機が早朝だったため、前泊しようとなり、
どうせ前泊するならもう1泊前乗りして、
ビルバオの街歩きもしようと。
というわけで、ビルバオは急ぎ足の観光となった。
ホテルの立地と「サン・マメス」
「サン・マメス」の駅から徒歩3分のホテル。
意外と便利な立地で辺りも静か。
2泊だけだし、お値段がリーズナブルだし、
中心地からちょっとはずれてるけど
まあいっかと思って予約したけど、
これは結構当たりだった。
ホテルは「イルニオン・ビルバオ」
こちらがホテルの最寄り駅「サン・マメス」駅の入り口。
地下鉄の入り口は全部こんな感じなのでわかりやすい。
「サン・マメス」とはサッカーのスタジアムの名前で、
ビルバオの中心地から言うと西の外れに位置している。
「アスレティック・クラブ」という地元の
サッカーチームの本拠地だ。
スペイン人、もちろんバスク人のサッカー熱はすごい。
バスクのチーム同士の対戦なんかは大いに盛り上がるらしい。
「サン・マメス」界隈は、国鉄の駅からは遠いが、
バスターミナルがあるので、バスを使って
ビルバオに入る人にはとても便利だ。
ビルバオの交通はバリックカードが便利!
ビルバオの地下鉄は2路線あって、ゾーンによって料金が異なる。
市内の中心部ならだいたいは1ゾーンでいけるし、
結構歩いてまわれてしまうくらい、そんなに広くない街だ。
地下鉄は入り口の斬新さにびっくりしたけど、
中もすごい!新しいのかと思ったら開業して20年経つらしい。
どの駅もとてもきれいに保たれていて感心。
近代的でインダストリアルな感じも、
なんとなくかつての鉄鋼や造船で栄えたビルバオが感じられて素敵。
ビルバオでは「バリックカード」(barik card)という
交通カードを利用した。
「バリックカード」とは、ビルバオの地下鉄、トラム、
バス、空港行きのバスなどの市内交通に使える
プリペイドカードのことだ。
カードをまず3€で購入し、必要な分をチャージして使う。
私たちは駅の券売機で購入。
このカードがすごいのは、複数人で1枚のカードを使えるところ。
これはめずらしい。
私たちも2人で1枚のカードを使った。
地下鉄の改札では、まず1人がピッとやって、
カードをもう1人にパスする。
慣れるまでは悪いことしてる気分になるけど、
何人でも1枚で済むので複数人の旅人たちには便利だ。
しかもこのカード、割引率がものすごい。
空港行きのバスなどは半額程度になる計算だ。
私たちのようにビルバオが短い滞在でも、
このカードなら十分に元が取れるだろう。
バスクを旅して思うこと
ビルバオ到着後、サン・セバスティアンよりもずっと
大きい都市の雰囲気に、「バスク」をちょっと忘れていたみたい。
地下鉄のホームでみつけたこちらにハッとした。
たしかにここはバスク。
今回の旅では、フランスとスペインの国境を越えた。
でも国境線はバスクの、ど真ん中に引かれている。
「どういうこと?」と思いながら旅に来たけど、
その場所に「フランス」やら「スペイン」やら
現代の「国」というものが存在するよりももっと前から
バスクの人々が暮らしていて、その文化が今の現代においても
ある程度保たれれているという奇跡。
「バスク」とは、そんな奇跡の中で、
あたり前のように人々が生活している場所だった。
海があって山があって風があって、
美味しい食べ物に溢れている、
ちょっとシャイで陽気な人々が暮らす場所。
バスクは、魅力的で仕方がない場所だ。
街の情報も満載。バスクの旅のお供におススメです。
↓
フランス&スペイン旅「ワインとバスクの旅!旅の最終目的地ビルバオへ!ホテルと街歩き、そしてまたまたバルご飯」
書くべきかどうか、いろいろ悩みながら、
今日も旅の思い出を復習しています。
2019年8月
この夏は、友人との2人旅。
ビルバオと大西洋側を南下する。訪れたかった場所をめぐる旅。
さあ、2週間のワインとバスクの旅へ!
目次
最終目的地に着くと、ため息が出ちゃう
いよいよ到着したビルバオ。
サンセバスティアンからのバスは、
予定通り1時間15分ほどで
ビルバオのバスターミナルに到着した。
とうとう旅の最終目的地に着いてしまった。
いつも旅の終わりが見えてくると、
テンションが下がっちゃう。
旅が終わってしまう寂しさに
ついついため息が出そうになるのだ。
でも気を取り直して、旅を楽しく終えよう!
最後までがんばろう!みたいな、
自分で自分を奮い立たせるようにして歩く。
ビルバオのバスターミナルは新しくなっていて、
古いものとただいま入れ替え中?
ちょと分かりにくくなっていた。
バスターミナルから歩けるところに宿をとっている。
街の中心部からは少し離れているが、
サンセバスティアンからバスで到着する予定だったので
バスターミナルから歩けるホテルにしたのだ。
ビルバオの街は私たちが想像していたよりも小さくて、
結構歩けてしまったのだが。
(と言っても、サンセバスティアンよりはとても大きい。)
ビルバオでのお宿はシンプルでリーズナブル!
ビルバオでのお宿はこちら。
「イルニオン・ビルバオ」というホテル。
ホテルの外観はちょっとくたびれているけど(?)、
中は完全にリノベーションされている。
ロビーもこんな感じで清潔感があって
スタイリッシュな感じ。
お部屋も機能的で広め!
中心地から少し離れているせいか、
とてもリーズナブルなお値段で泊まることができた。
バスターミナルからはスーツケースを曳いても
徒歩10分程度だった。びっくりするほど静かな界隈。
サンセバスティアンと比べるせいかな?
さて、早速のビルバオ街歩きへ
この日、サンセバスティアンも雨模様だったが、
ビルバオも曇ったお天気。
そして、気温がサンセバスティアンよりも低かった。
長そでのパーカーを羽織っても寒いくらい。
バスクの天候はむずかしいな。
ホテルを出て、モユア広場へやってきた。
新市街の中心地にあたる大きなロータリーがある広場だ。
新しい建物と古い建物が融合している街並み。
ビルバオの地下鉄は、入り口がとてもわかりやすい。
だって、こんな形だから!絶対見逃さずにすむだろう。
革新的な建物も多く見られるビルバオらしい。
そろそろお腹が空いてきました!
そろそろお腹が空いてきました!
モユア広場から歩いていくつかのバルを覗いてみる。
またまた、こちらの本を携えて。
載ってるお店、全部ハズレなし!
↓
いくつかの店を覗いてみたが、サン・セバスティアンよりも
バカンスで閉まっている店が多い。
それは、この日が8月10日だったせい?
サン・セバスティアンよりも観光客が少ないからかも?
しばらく歩いてみたあと、こちらのお店に入ってみた。
「エル・ウエボ・フリト」el huevo frito
店名の意味は「目玉焼き」。
その名の通り、目玉焼きが乗っかているピンチョがたくさん。
地元感あふれる雰囲気のお店で、お客さんも少なめ。
ゆっくり、のんびり食事を楽しむことができた。
串焼きも追加で注文。
同じバスク地方といっても、サン・セバスティアンとは
まったく違う雰囲気のビルバオ。
ビルバオは短い滞在になるけど、
美味しいものを食べて、歩いて、
楽しみ尽くしましょう!
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≒(ニアリーイコール)を楽しむ言葉の世界<その4>「日本語にもあったらいいな!こんな素敵なイタリア語」
いろいろな悩みの中ですが、今日は、私の好きな言葉を。
目次
もともと言葉が好きだったので
私にとって、最初の外国語は英語だ。
中学校の授業で習う英語。
颯爽と教室に入ってきた若い英語の女性の先生が、
英語で自己紹介を始めた時、
「なんて格好いいの!」と憧れた。
当然のように好きな教科は英語になった。
しかし、よくよく考えてみると、
私は英語が好きなんじゃなくて、
言葉がそのものが好きだったのだ。
自分にとっては、あたり前すぎて見えないもの。
中学生の頃、私は、国語辞典を読むのが好きだった。
まわりからは、「変わってるね……」と引かれたけど、
全然関係性のない言葉が隣同士に並ぶ姿、
私にとってはツボだった。
(国語辞典が読み物だった話は、またいつかどこかで……。)
イタリア人の会話に頻出のワード「simpatico」
(ステイ先で料理するホストマザーとその友人。イタリアのフィレンツェで。)
(ご飯を食べながら、イタリア人はいっぱいしゃべる!リスニングの勉強には最適)
イタリア人の会話を聞いていると、
よく出てくるワードの1つに、
「simpatico」という単語がある。
「simpatico」は形容詞で、日本語にすると
「感じの良い」「好感のもてる」「親しみがわくような」と
翻訳される、バチっと日本語では決まらない言葉。
「=」では表せられない「≒」(ニアリーイコール)の言葉。
英語の「sympathy」と同じ由来の言葉のようだ。
イタリア人との会話は他己紹介の嵐!
「simpatico」は、実にイタリア人的と言うか、
ラテン的な言葉だと思う。
ラテン系の人々は、自分の感覚をとても大切にする人たちだ。
そして、人と話をするのが大好き。
その場にいない人の話で盛り上がることもしばしば。
イタリアでホームステイすると、
ホストファミリーが実にいろんな人を紹介してくれる。
家族や親せきはもちろんのこと、それぞれの友達や
近所の人、行きつけのバールの店員や友達の友達に至るまで。
人の話をするのが大好きなのだ。
ホームステイに2週間ほど行くと、
ホストファミリーの他己紹介を延々と聞くことになる。
真面目な日本人の私は、最初はなかなか名前が覚えられず、
「教わった人の名前が覚えられないなんて失礼だ」と思って
メモをとったりしていたのだが、
そんなことはイタリア人にとって大したこではなさそう。
なんせ紹介したいのだから、一生懸命それを聞けばいいだけ。
(地元のバールなどは、店員も客もみんな顔なじみ。名前もだいたい知っているみたい。)
人を紹介するとき、まずは名前から。
そしてその次、日本なら年齢とか背格好とか
エピソードなどの情報が盛り込まれそうだが、
イタリア人の他己紹介は、その性格がどんとくる。
その時にでてくるのが、
「simpatico」という素敵な言葉。
英語の「sympathy」は「共感」の意。
その人物が、自分と「共感できる人だ」という
ニュアンスが含まれているのだと思う。
日本語にも欲しい!絶妙なこのニュアンス!
イタリア語は男性・女性名詞の区別があるので、
形容詞もそれに伴って語尾変化をする。
男性なら「simpatico」、女性なら「simpatica」で表す。
「なんということもないけど、なんとなくいい人だ」という
この絶妙なニュアンス!
一言で言えば「感じがいい」ということになるが、
日本語にするとぼんやりしていて、
バチっとくる言葉が見当たらない。
ぜひ日本語にもあったらいいのになと思う。
そして、私もだれかにどこかで言われていたい。
「あの人、simpatica だね」って。
だいたい土曜日に言葉のついての記事を書いています。
↓
フランス&スペイン旅「ワインとバスクの旅!通算17軒目のバルでランチ!思い出いっぱいのサン・セバスティアンからバスでビルバオへ」
いろいろ悩みながら、今日も旅の思い出を書いています。
2019年8月
この夏は、友人との2人旅。
ビルバオと大西洋側を南下する。訪れたかった場所をめぐる旅。
さあ、2週間のワインとバスクの旅へ!
目次
雨に洗われた美しい街をじっくり
この日は朝から雨模様。
雨の日も風情があるサン・セバスティアンの旧市街。
何度歩いたかな、この細道。
この日の午後にはサン・セバスティアンを発つ。
旧市街を抜けて、コンチャ湾を見に行った。
旅の最終日は、思い出のある場所に行きたくなるものだ。
どんよりしたコンチャ湾とその向こうにモンテ・イゲルド。
以前訪れた時のコンチャ湾はこちら
↓
旧市街に戻って、またまた何度目かわからないほど歩いた
8月31日通り。いつも、ホテルへの帰り道だった。
通りの先に教会の塔が見える、この眺めが好き。
着いた初日にいった「ラ・ビーニャ」。
再訪したかったけど、それにはあと2週間ほど必要かも。
行きたいバルがありすぎて。
サンタ・マリア教会がドーンと見えるこの通り。
バル街をさ迷う時には目印になった。
次回の宿泊先を探したりもして
今回の快適なサン・セバスティアン滞在の中で、
困ったのはホテルのこと。立地は申し分なかったのだが、
お値段がなかなかで、連泊すると……。
今回お世話になった「ホテル・パルマ」
旧市街を歩いていると、こんなペンションのマークを
何度も見かける。大きなホテルがあまりない
サン・セバスティアンの旧市街界隈。
次回はこのあたりのペンションの泊まろうかな
などと物色しながら歩く。
サン・セバスティアンで食べる最後の食事は?
サンセバスティアンで食べる最後の食事。
最後もやっぱり、バルでいただきましょう!
バルがひしめくこの通りにあるお店へ。
通算17軒目のバル!「BETi-JAi」ベティ・ハイ
中はとてもモダンな感じで明るい!
テーブルが空いた!
色とりどりのピンチョでランチタイム。
こちらのお店のピンチョはとても立体的。
この後、バスでビルバオに向かうので、私は「モスト」で。
モストとはぶどうジュースのこと。
お酒があまり強くない私は、乗り物の乗る時や、
移動の時は要注意。判断力が鈍るので……。
でもこの「モスト」がとっても美味しい!
いよいよ出発!旅は佳境に
ランチを終えたら、ホテルに預けていたスーツケースを
もらいに行って、ブールバードからバスに乗った。
駅の裏手のバス停で降り、地下通路を通ってバスターミナルへ。
数年前に新しくなったサン・セバスティアンのバスターミナル。
以前は旧市街からかなり遠く不便だったらしいが、
国鉄駅の地下に整備され、駅の表側からも裏側からも
スロープとエスカレーターで移動できるようになっている。
私たちはサン・セバスティアンの旅の始まりに
観光案内所でバスクカードを購入し、
バスクでの交通はすべてそのカードで乗り降りできた。
さらに、ビルバオへのバスのチケットも
このカードで事前に購入済。
バスクカード、大変便利でした!
↓
さて、バスのスカートに大きな荷物を入れて、
いよいよサン・セバスティアンともお別れだ。
ビルバオまでは、バスで1時間15分ほど。
旅もいよいよ最終目的地へと向かう局面になった。
このころになると、もう旅の終わるさみしさが
心を占めるようになっていて、しんみりしてしまう。
なおかつ、すっかり虜になったサン・セバスティアンの街を
離れることがとてもさみしい。
旅の終わりは、この「しんみり」モードをかき消すように、
旅のコンプリートを目指すというモチベーションに変えていく。
さあ、最後まで健康で安全で楽しい旅にしましょう!
さようならサン・セバスティアン!
また来ます!
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フランス&スペイン旅「ワインとバスクの旅!雨のサン・セバスティアンを歩く!街を発つ日はその街の魅力を一番感じる時だ」
悩みながら旅の思い出を書いています。
2019年8月
この夏は、友人との2人旅。
ビルバオと大西洋側を南下する。訪れたかった場所をめぐる旅。
さあ、2週間のワインとバスクの旅へ!
目次
バスクの天候はコロコロ変わる
この日はサン・セバスティアン最終日。
この日の午後にサンセバスティアンを発って
旅の最終目的地であるビルバオへ向かう。
一日の中に四季があると言われるほど、
天候がコロコロかわるバスク地方。
滞在した10日ほどの間にも、さまざまな天候を体験した。
そしてサンセバ最終日のこの日は……。
朝から嵐のような天候。。。
川を逆流する大波。
ホテルの前の海は、まるで冬の日本海のようだった。
この日の朝食はホテルでゆっくり
ということで、朝食ハンティングには行かず、
ホテルのお部屋で甘い朝食を。
前日に「オタエギ」という旧市街にある老舗お菓子屋さんで
買っておいたもの。この包みがかわいらしい。
「オタエギ」はこんなお店。
伝統的なバスクのお菓子がいっぱい並んでいる。
そんな中から、すっかり虜の「パステル・バスコ」と
「パンチネタ」を。「パンチネタ」とは、サクサクの
パイ生地にカスタードクリームを挟んだもの。
↓
どちらも素朴な味わいで美味しい!
旅の友人が持ってきてくれた湯沸かしポットのおかげで、
お部屋のゴハンも充実。
コーヒー粉はフランスで旅の途中に購入したもの。
2週間の旅でちょうどコーヒー粉を使い切った。
お部屋の朝ごはんもなかなか楽しい
↓
大荒れのサン・セバスティアンを歩く
朝食が済んだら、最後のサン・セバスティアン街歩き。
ホテルのある川沿いの道。
スリオラ橋を渡って、ビーチ方面へ歩いてみる。
雨と吹き上がってくるしぶきでびちゃびちゃの桟橋。
これはこれで風情があるかも。ある意味清々しい。
スリオラビーチもこんな感じだ。
前日のランチを楽しんだ「ミラドール・デ・ウリア」は
正面に見えるウリア山の中腹だ。
楽しんだ数日前のスリオラビーチはこちら
↓
白波がたつこの日。サーファーには良い波なのかな。
何人かはサーフィンしていた。スリオラビーチは
もともとサーフィンのスポットとして有名な場所。
このうねり!すごい。思わず見とれてしまった。
旅する理由のひとつは
雨のサン・セバスティアンも魅力的。
そう感じるのは、もうこの街の虜になっているからだ。
また来たい街。
(モンテ・イゲルドからのぞむコンチャ湾)
行きたいところが世界にはたくさんある。
まだ訪れたことのないところ、もう一度訪れたいところ、
私が再びサン・セバスティアンを訪れる機会は
いつやってくるだろうか。
(連日歩いた旧市街。バルのハシゴもサンセバスティアンの魅力。)
「ホントに、また来れるかなぁ……」とも思いながら、
行きたい場所がどんどん増えていくことは、
幸せなことじゃないか!と思うようにしている。
旅する理由のひとつ。
訪れたことがないのに、懐かしく感じる場所を
私はいつも探している。
サン・セバスティアンは、それに該当する街の1つになった。
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≒(ニアリーイコール)を楽しむ言葉の世界<その3>「クタクタに疲れる」ことは「空っぽになる」こと?
世界情勢をできるだけ一方向から見ないように
心を鎮めながら過ごしています。
今日は、旅の途中で出会う言葉のお話を。
目次
旅の中で出会う言葉
旅の中で出会う言葉は、あいさつに始まり、
言いたいことや聞きたいことが増えるに従って、
だんだん増えていく。
まるで、小さい子どもが言葉を覚えていく様を
早送りしているような感覚。
特に一人旅では、言葉の壁を感じずにはいられない。
(旅のトラブルにも言葉は欠かせない。スペインマドリッドのホテルにて)
↓
過去の旅の中でも、「言葉」についての思い出が
強く残っているのは、一人旅の時だ。
愛情と生活感にあふれる言葉
「一人旅」とはまたちょっと違うかもしれないが、
ホームステイの中で出会う「言葉」は生活そのもので
忘れがたい場合が多い。
イタリアのフィレンツェでホームステイをしたことがある。
(イタリアのフィレンツェでホームステイしたお宅のリビング)
(かれこれ30年愛用のジーニアス)
ホームステイの時、ホストファミリーから投げかけられる言葉は、
愛情と生活感に満ちている。
「大丈夫?」
「うまくいってる?」
「困っていることはない?」
「お腹空いていない?」などだ。
「exhausted」という言葉の意味は?
そんな中で出会った言葉に、「exhausted」(英語)
という言葉がある。
「exhaust」という言葉は、「疲れさせる」「使い果たす」と
日本語では訳され、容器などを「空っぽにする」という
意味もある他動詞だ。
「exhausted」はそれを過去分詞にした形て、
「I am exhausted.」で「私はクタクタに疲れている。」
という意味になる。
しかし、疲れるという意味を表す英語には、
「tired」があり、「I am tired.」で「私は疲れている。」だし、
「I am very tired.」で「私はとても疲れている。」
つまり、「クタクタに疲れている。」という
おおよその意味は、それで表現できることになる。
「クタクタに疲れる」ことは「空っぽになる」こと
英語の短期留学のためにカナダのトロントに滞在した時、
ホストマザーは赤ちゃんを育てるシングルマザーだった。
家事はちょっと苦手だけど、さっぱりしたカッコいい人。
当時大学生だった私を、一人前の大人として迎え入れ、
あまり干渉しすぎないように気を遣っていてくれていた。
留学先の学校で個人のプレゼンテーションがあり、
その準備と緊張で眠れない夜を数日過ごしたあと、
ホストマザーにかけられた何気ない言葉に
「exhausted」が登場した。
私の寝不足を気遣って、
「今日は早く寝た方がいい、
あなたは真面目で努力家だから、
You're exhausted,aren't you?」
その時、ホントに自分の中身が使い果たされて、
まるで空っぽのような状態だなと思った。
日本語の「疲れ切った」や「クタクタに疲れた」
という言葉よりも、「exhausted」の方がぴったりだったのだ。
そしてそれと同時に、あまり干渉しないホストマザーの
さりげない愛情で心が満たされるような気持ちになった。
「exhausted」≒「疲れ切った」「クタクタに疲れた」
「=」では結べない「≒」(ニアリーイコール)の言葉の世界。
曖昧だからこそおもしろい言葉の世界
その日から、日本で日本語で暮らしていても、
思う日や思う場面がやってくる。
「I'm exhausted.」
もちろん、いきなり人に英語で話したらびっくりされるから、
心の中でつぶやくだけだけど、その時の自分の状態や気分を
一番表現できる言葉は、日本語とは限らない。
そして、私が「I'm exhausted.」と思う時、
同時にふわっと漂うのは、自分の中が空っぽになるまで
がんばった経験や、ホストマザーとの思い出などだ。
言葉は生きていると実感する。
言葉の世界はおもしろい。
曖昧だからこそ。
フランス&スペイン旅「ワインとバスクの旅!サン・セバスティアンの贅沢だけど寛げるランチを楽しむ!」
悩みながら書いています。
2019年8月
この夏は、友人との2人旅。
ビルバオと大西洋側を南下する。訪れたかった場所をめぐる旅。
さあ、2週間のワインとバスクの旅へ!
目次
絶景を眺めながらのランチの続き!
この日のランチは、こんな景色を眺めながら!
お天気はちょっと下り坂だけど、モンテ・ウリアの上からは
サン・セバスティアンの街と海が一望できる。
サン・セバスティアンを離れる前日に訪れたレストラン、
「ミラドール・デ・ウリア」は、ミシュランの星付きレストランだ。
美食のバスクを旅しようと決めた時、
どこでどんなものを食べようか、とても悩んだ。
ミシュランの星付きレストランが世界で最も密集している場所。
いろいろ悩んだ末に予約したのは、
オンダリビア「アラメダ」のディナーと、
このサン・セバスティアン「ミラドール・デ・ウリア」のランチ。
オンダリビア「アラメダ」のディナーはこちら
↓
お料理は次から次へとめくるめく……
さてお料理は次から次へと美しいお皿の連続。
アサリご飯に大興奮!
コースの途中にはこんな演出。アサリご飯!
目の前でアサリを焼いて、
香ばしいいい香り!これがアサリご飯?
でもなんだか懐かしいような、和食にも通じるような。
すべて、素材を大切にした味つけ。
お料理の見た目や器も楽しい。
デザートまでめくるめく続く。
ワインのペアリングも素晴らしくて、飲めないお酒も飲めてしまう。
お腹いっぱいの3時間半!
最高のお料理に最高のテーブル!
スリオラビーチを真下に臨むこのテーブル!
最高の眺めだった。
翌日にはサン・セバスティアンを離れるこの日。
リゾートを楽しんだスリオラビーチ、
バルのハシゴを楽しんだ旧市街、
コンチャ湾にモンテ・イゲルド……。
楽しかったサン・セバスティアンの滞在を思い出しながら。
滞在の最後に、このレストランを予約しておいてよかった!
ミシュランがどうのこうのは置いておいても、
単純に素敵なお店。
ランチとしてはなかなかのお値段だけど、
のんびり落ち着けて寛げるお店。
機会があったらまた訪れたいと思うお店だった。
ああ、お腹がはちきれそう……。
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フランス&スペイン旅「ワインとバスクの旅!サン・セバスティアンのすべてを眺める!ミシュラン1つ星の空間で味わうランチ」
日々、何をすればいいのか模索しながら、旅の思い出を書いています。
2019年8月
この夏は、友人との2人旅。
ビルバオと大西洋側を南下する。訪れたかった場所をめぐる旅。
さあ、2週間のワインとバスクの旅へ!
目次
タクシーに乗ってモンテ・ウリアへ!
サン・セバスティアンに滞在した数日。
大満足で過ごしたこの街とも、翌日にはお別れ。
この日の朝は、とてもお天気が良かったので
バスとケーブルカーに乗って、モンテ・イゲルドを楽しんだ。
そしてこの日の午後のお楽しみは、
ミシュラン一つ星レストランでのランチ!!
若干、私たちなりにおめかししてホテルを出発。
旧市街のブールバードの西側にタクシー乗り場がある。
(写真は翌日に撮ったものなので雨模様。)
ここからタクシーで、モンテ・ウリアへ向かう。
普段タクシーにあまり乗らないのでちょっとドキドキ。
特に海外でタクシーに乗るのは緊張する。
高額のタクシー料金をふっかけられたことがあるからだ。
(ふっかけられたことに気づいたので、実際に高額料金を払ったことはないけど、
タクシーは要警戒!と思っている。旅のタクシー話もまたどこかで改めて。)
モンテ・ウリアとは、前日に泳ぎに行った
スリオラビーチの東側にあるこの山。
ホテルの部屋からも見えていたこの山の中腹に、
この日予約しているレストランがある。
近そうに見えたのだけど、山のまわりをぐるりとまわって、
ものすごい急な坂道をぐいぐい登って、
「ミラドール・デ・ウリア」というレストランへ。
高額料金をふっかけられることもなく(笑)、
15分ほどで到着した。
「ミラドール・デ・ウリア」で時を忘れる!
運転手さんの「着いたよ」の声でタクシーを降りたら
レストランの前かからはこんな眺め!
サン・セバスティアンの街が一望できる。
あれ?いつの間にやらこんなどんよりしたお天気に……。
まあ、サン・セバスティアンらしいというか、
バスクらしいお天気ということだ。
朝はあんなにまぶしいくらいに晴れていたのにな。
こちらがレストランの入り口。
想像していたよりもこじんまりとした佇まい。
でも、中に入るとすごかった!
何がすごいって、この眺め。
(写真は食後に撮ったもの)
ガラス張りの店内からは、見事なサン・セバスティアンの街と
美しいスリオラビーチ、モンテ・ウルグルの向こうには
コンチャビーチ、さらにはその向こうにはこの日の朝に
訪れたモンテ・イゲルドまで。全部丸見え!
びっくりの連続!?長い長いランチの始まり!
さてさて、お楽しみのランチが始まる。
ティスティングメニューを選択。
ワインはペアリングにした。楽しみ~!
テイスティングメニューは120€、
ワインペアリングは96€なり。
うん、お値段がかなり大人なランチですね。。
「ミラドール・デ・ウリア」は、
ミシュランの1つ星を獲得しているお店。
眺めももちろん素晴らしいが、お料理の独創性がすごい。
最初にやってきたのは、美しい色の食前酒と
見ただけでは何かわからない物体。
「食前酒はサン・セバスティアンの海の色」と説明されて、
実際に窓の向こうを見て見れば、
「まさに!」と思わず声をあげてしった。
その後も運ばれてくるお料理は、どれも驚きの連続。
見た目に驚き、説明を聞いて驚き、食べてさらに驚き。
見た目の形状からはまったく想像できない味が口の中に広がる。
口に運んだら、窓の外を見る。
お天気はイマイチだけど、これもまたバスク。
この日の翌日には、サン・セバスティアン発つ。
この街で過ごすのもあとわずかと思うと、
この景色を眺める心持ちも変わるものだ。
ランチはまだまだ続く。
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≒(ニアリーイコール)を楽しむ言葉の世界<その2>「「ありがとう」という言葉の真意は?」
今日は言葉のお話を書きます。
おつきあいください。
目次
≒(ニアリーイコール)で結ばれる言葉と言葉
旅と言葉は切っても切れない関係だ。
「文化」にはいろいろあるけど、
その中でも興味を掻き立てられるのが「言葉」。
私は「言葉」が好きだ。
=(イコール)ではなく、
≒(ニアリーイコール)で結ばれる言葉と言葉。
そこが魅力的。
「ありがとう」の意味はどこからきたのか?
海外旅行に行く時、できればその土地の言葉を
いくつか覚えておきたいと思う。
それは現地の人とのコミュニケーションに
良い傾向をもたらすと知っているから。
だいたい入り口は、「こんにちは」と「ありがとう」だ。
日本語の「ありがとう」は「有難う」である。
存在することが難しい、貴重なことであるという感じ?
貴重だからありがたいものということで意味が転じたのだと
思うが、なかなか複雑な言葉の成り立ちだ。
「ありがとう」をどう訳そう?
私がよく訪れるヨーロッパではどのように使われている?
特に日本語の「ありがとう」と ≒(ニアリーイコール)で
結ばれる言葉は、日本国内で使う「ありがとう」よりも
かなりの頻出単語だと思う。
(サン・セバスティアンのバル。カウンター越しの言葉のやりとりも旅の楽しみの1つ)
スペイン語の「ありがとう」は「gracias」(グラシアス)、
イタリア語では「grazie」(グラツィエ)。
スペインやイタリアで過ごす時、
一日でいったい何回この言葉を使うだろうかと思うほど、
さまざまな場面で「gracias」「grazie」を使う。
どちらの言葉もラテン語も「GRATIA」からきているらしい。
「GRATIA」は「好意」という意味。
これは、現在の英語の「grace(好意)」とも関連している。
(イタリアミラノで入ったバール。お店の名前はズバリ「grazie」!)
つまり、イタリア語の「grazie」やスペイン語の「gracias」は、
日本語に訳すと「ありがとう」と訳すしかないのだが、
相手に感謝の気持ちをの意味だけでなく、
「好意がある」という本来の意味も含まれるのだと思う。
(私の個人的な解釈です。)
言葉の真意を探る楽しみ
(イタリアのフィレンツェでホームステイした夏。ホストマザーから1日4時間イタリア語を習った。)
言葉を学ぶ楽しみはもちろんのこと、
言葉の真意を探る楽しみも。
日本語の「ありがとう」よりも、「gracias」や「grazie」は
よりカジュアルな場面で相手に好意を持っている、
好感を持っているということを伝えたい場合で
頻発できる言葉なのではないだろうか。
「ありがとう」≒「gracias」「grazie」
決して「=」では結べない言葉と言葉。
お世話になったら、話を聞いてもらったら、美味しいものを食べたら、
何かを持ってきてもらったら、気にかけてもらったら、
そのすべての場面で「gracias!」「grazie!」
フランス&スペイン旅「ワインとバスクの旅!サン・セバスティアンで過ごす時間!通りすがりの教会に入ってみたら」
悩みながら書いています。
2019年8月
この夏は、友人との2人旅。
ビルバオと大西洋側を南下する。訪れたかった場所をめぐる旅。
さあ、2週間のワインとバスクの旅へ!
目次
気まぐれなお天気もサン・セバスティアンの魅力?
この日は朝からバスとフニクラに乗って
モンテ・イゲルドからの絶景を楽しんだ。
その後はバスで旧市街に戻って、
街をぶらぶら。
いつ歩いても絵になるサン・セバスティアンの旧市街。
バルが並ぶ道を歩けば、次に入る店を自然と物色してしまう。
モンテ・イゲルドへ行った時はあんなに晴れていたのに
ちょっと雲行きが怪しくなってきた。
サン・セバスティアンのお天気はこんな感じで気まぐれだ。
今までスペインを夏に訪れた時は、マドリッドやトレド、
バルセロナは海沿いだけど地中海側だし、
サン・セバスティアンなどのバスク地方とは気候が違う。
カラッと晴れることもあるけど、どちらかというと
湿気のある海風に包まれている街だ。
いつもの道にも新たな発見がある
いつも前を通りすがっていた教会。
そういえば一度も中へ入ってなかった。
ということで、お邪魔してみる。
細い路地に建っているので、教会全景を見渡せない。
「San Vicente」という教会。
わぁ!内部はとても明るくて豪華!
とても立派なパイプオルガン。
練習中のようで、オルガンの音色を聴くこともできた。
ゴシック様式の教会。
旧市街の喧騒の真っただ中に建つ教会。
でも一歩中へ入ると、そこにあるのは静寂。
一瞬で凛とした空気に包まれる教会の空気。
神社や寺院ににも共通するこの空気感は、世界共通だ。
なぜこんなにサン・セバスティアンは居心地がいいのだろう?
美しい街並み心を落ち着かせる。
なんだかのんびりしてるんだよなぁ。
観光客でごったがえすバル街でも、
時間はゆったりと流れているような感じ。
旧市街は小さくて、数日歩けば自分の街のような気がしてくる。
暮らしているような気分にすぐなれる街。
それが、サン・セバスティアンの魅力だ。
おいしい食べ物やビーチはもちろんのことだけど、
それだけではない、人には教えたくないような
自分だけのものにしておきたいような
そんな魅力がサン・セバスティアンにはある。
離れがたい街を離れる時が迫る
教会の建つ通り「8月31日通り」。
この道を歩いてホテルへ帰る。
朝はあんなに晴れていたのにすっかり曇り。
靴がなかなか乾かない……。
前日のビーチではいた靴だ。
ヨーロッパの旅ではなかなか経験のないこと。
ものが乾かなくて困るなんて。
実は、翌日にサン・セバスティアンを発つ。
離れがたい街、だんだんさみしくなってきたこの日の午後。
でも楽しみにしていたことがまだ待っている。
この日のランチは、星付きレストランを予約している。
さあ、しっかりお腹を空かせたところで、
いざ!向かいましょう。
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フランス&スペイン旅「ワインとバスクの旅!サン・セバスティアンはビスケー湾の真珠!モンテ・イゲルドに登ってわかったこと」
こんな世界情勢の中、迷いながら書いています。
2019年8月
この夏は、友人との2人旅。
ビルバオと大西洋側を南下する。訪れたかった場所をめぐる旅へ。
目次
- 天気の良い日は、モンテ・イゲルドへ!
- かわいいフニクラに乗るだけでも楽しい!
- 山頂に到着すると、一気に視界が開けた!
- 数日滞在したからこその楽しみがある
- 圧巻の眺めはもちろんストレートに楽しんで
- 素敵なスポットだらけのモンテ・イゲルド
天気の良い日は、モンテ・イゲルドへ!
サン・セバスティアンを満喫中。
お天気のよいこの日、ギプスコア広場から
バスに乗って向かった先はモンテ・イゲルドだ。
「モンテ」とはスペイン語で「山」の意味。
サン・セバスティアンの中心にあたるコンチャ湾は、
「モンテ・イゲルド」と「モンテ・ウルグル」に挟まれた地形。
バスを降りたのは、こんな建物の前だった。
まるで邸宅の入り口かと思うような佇まいだが、
これがモンテイゲルドへ登るケーブルカー乗り場。
「フニクラ」と書いてある。
「フニクラ」とはケーブルカーのこと。
かわいいフニクラに乗るだけでも楽しい!
建物の中に入ると、かわいらしい赤いフニクラがお目見え。
このケーブルカーも、バスクカードを持っていると
割引になった。バスクに数日滞在する人なら
きっと「モンテ・イゲルド」を一度は訪れるはず。
バスクカード、絶対お得です。
このケーブルカー、外も中もレトロでかわいい!
モンテ・イゲルドの山頂には、レストランや遊園地があるのだが、
このフニクラがもうすでにアトラクションの一部みたいだ。
さあ、いよいよ出発!
ケーブルカーは15分おきに出ていて、
待ち時間もほとんどなかった。
結構な急勾配をガンガンあがっていく。
ケーブルカーからの景色を楽しみにしていたのだが、
ほとんど山の中を抜けていくので視界は開けてなかった。
山頂に到着すると、一気に視界が開けた!
ほどなくして、山頂に到着!すんごい勾配!
ふり返ってフニクラを撮影していると、
前を行く観光客たちから「WOW~!!!」という声が。
フニクラ駅の駅舎を抜けると、一気に視界が開け、
まぶしい光景が眼下に広がっている!
まさに「WOW!」という光景。
コンチャ湾が美しい。「コンチャ」とは「貝」の意味。
貝のように滑らかな曲線が本当に美しい海岸線。
オンダレータ海岸からモンテ・イゲルドへ続く一帯。
どこをとっても美しい。
数日滞在したからこその楽しみがある
コンチャ湾の左にポッコリしているのが「モンテ・ウルグル」だ。
いつもバルの帰り道に見上げている山。
モンテ・ウルグルにバスクの旗がたっている。
↓
モンテ・ウルグルのふもとに広がっているのが旧市街だ。
こんな風に、数日滞在してから街を俯瞰すると、
あそこに何があって、ここをこんな風に歩いてなど、
旅の復習ができたり、あの辺にまだ行ってないなとか
この後の旅の計画も練れたりして、
風景を眺めるだけじゃない楽しみがある。
圧巻の眺めはもちろんストレートに楽しんで
そして圧巻の展望台からの眺め!
ポストカードなどになっているのはここからの眺めのようで、
なんだか見たことあるな、この角度。
コンチャ湾に浮かぶ島はサンタ・クララ島。
いつかお天気の悪い日に朝の散歩に出た時には、
コンチャ湾とサンタ・クララ島に白波が立っていて、
冬の日本海のような様相だったけど、今日は穏やかだ。
冬の日本海のような様相だった日のコンチャ湾
↓
穏やかなビスケー湾。
サン・セバスティアンは「ビスケー湾の真珠」と呼ばれる。
それも大げさではないと確信する美しい街。
山頂には遊園地が。これもまたかわいらしくて、
ちょっとノスタルジックな感じがまたいいかも。
展望台の下にフニクラの駅がある。
素敵なスポットだらけのモンテ・イゲルド
「モンテ・イゲルド」はいろんな角度から
眺めを楽しむことができて、素敵なスポットだらけ。
しばらく滞在したら、またフニクラで山を下りる。
このフニクラ駅の案内もまたかわいらしくて素敵。
フニクラ、楽しい!
なかなかのスピードですれ違う。
大満足のモンテ・イゲルド。
絶対、お天気の良い日がおススメ。
行く日を決めないで、朝起きて海がまぶしいことを確認してから、
フニクラに乗りましょう。
間違いなく、童心にかえれるスポットだ。
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≒(ニアリーイコール)を楽しむ言葉の世界<その1>「「Good morning」は「おはよう」なのか?」
今日は旅の復習をお休みして、
言葉のお話を書いてみます。
旅には欠かせない言葉の思い出とともに。
目次
私は「言葉」が好きだ
(スペインのサンセバスティアンのバルにて 2019年夏撮影。)
私は「言葉」が好きだ。
そんなことをわざわざ書いたら、変な人ってことになるだろうけど、
言葉の成り立ちや、言葉の端々から伝わることがとても気になる。
他の人よりも、自分が「言葉」そのものに興味を持っていると
気づいたのは、ずいぶん大人になってからだった。
若い時、英語を勉強するためにカナダに短期留学をしたことがある。
滞在中に、多少は英語を話せるようになった。
でも、日本に帰ってきてから思ったのは、
その時英語で感じたことを、どうやっても
日本語では表現しきれないということだった。
日本語と英語は違う言語なんだから、
どんな単語も「=(イコール)」で結ばれることはない。
どんなに頑張っても「≒(ニアリーイコール)」にしかならないのだ。
あたり前といえばあたり前のことだが、
若い頃の私には気づかないことだった。
この私の「気づき」について、
何人かの知人には話したことがあるが、
誰にもしっくりこないようだった。
まあ、そこは私の説明に問題があるのかもしれないが。
気づけは、私の本棚には言葉に関する本が増えていった。
とにかく、私は人が気にしないようなことが気になるのだ。
私が気になることは、大多数の人には気にならないことなのだ。
ということに気がつくまで、ずいぶんの年月を要した。
「Good morning」は「おはよう」なのか?
(アメリカ シアトルの早朝 2018年夏)
「Good morning」は果たして「おはよう」なのだろうか?
「Good morning」は、直訳すれば「良い朝」ということになる。
これは欧米の言葉にはよく見られる、
「良い朝をお過ごしください」という意からきているのだろう。
つまりは、「Have a good morning」の省略形。
フランス語の「Bonjour」も、イタリア語の「Buon giorno」も、
「朝」と「日」の違いはあるものの、言葉の成り立ちは同じだ。
(この「朝」と「日」の違いについてもぜひ今度書きたい。)
日本語の「おはよう」は、これとはまったく成り立ちが違う。
「おはよう」は「お早う」であり、
「お早いですね」という相手に対する投げかけだ。
「朝が早いことは良い」というニュアンスを含んでいる。
または、「朝が早くて精が出ますね」というようなニュアンスも。
さて、「Good morning」は果たして「おはよう」なのだろうか?
朝のあいさつとしてはもちろん正しいが、意味としては、
「Good morning」≒「おはよう」
やっぱりどうしても、「≒(ニアリーイコール)」なのだ。
≒(ニアリーイコール)を楽しむ言葉の世界
(バンクーバーへ向かう飛行機から 2018年夏)
この世の言葉は、すべて「≒(ニアリーイコール)」にしかならない。
私はそう思っている。
100%の「=(イコール)」で結ばれる言葉は存在しない。
それは、違う言語同士はもちろんのこと、同じ言語でも。
でも、だからこそ言葉はおもしろい。
成り立ちはまったく違うのに、
現在は似た言葉として使われているもの、
同じ意味として翻訳されているもの、
似たニュアンスを与えるものがあったり、
その逆があったり。
言語を育む歴史や風土、文化の中で移ろっていくのがおもしろい。
この「≒(ニアリーイコール)」の言葉の世界を
存分に楽しみたいと思う。
また、気が向いたらこの続きを書いてみる。
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フランス&スペイン旅「ワインとバスクの旅!サン・セバスティアンの交通事情とパステル・バスコで朝ごはん」
2019年8月
この夏は、友人との2人旅。
ビルバオと大西洋側を南下する。訪れたかった場所をめぐる旅。
さあ、2週間のワインとバスクの旅へ!
目次
快適なサン・セバスティアンでの滞在
オンダリビアでの1泊を挟んで、
サン・セバスティアンでの滞在も長くなってきた。
前日は美しい夕日を見送って、慣れたホテルでのんびり。
サン・セバスティアンで迎える朝。
気持ちいいお天気だ。
旧市街の狭い道には、バルがひしめき合っている。
夜は人があふれるこの界隈も、
朝の時間帯はほとんど人通りがなく、静かだ。
路地の上に広がる青空。
今朝はサン・セバスティアンらしい天候。
晴れているけど湿気があって、結構朝から暑い。
バル街で朝食をハンティング
朝ごはんを求めてぶらぶらバル街を歩いていたら、
地元感たっぷりのパン屋さんが開いているのを見つけた。
ショーケースのバスクのお菓子を食べてみたくなったので、
本日の朝食はこちらでいただきましょう。
ぶらぶら朝の散歩をしながら、朝食の場所を選ぶのも
サン・セバスティアンでの旅の楽しみの1つ。
さあ、淹れたてのコーヒーとともに。
チーズのタルトとパステル・バスコ。
どちらも素朴な味わい。
フランス語で言うと「ガトー・バスク」。
「バスクのケーキ」という意味だ。
昔ながらの素朴な味わいで、世界中誰もが嫌いじゃない味だと思う。
オンダリビアのパラドールのカフェで食べた
「パステル・バスコ」の美味しさに感激して
すっかり虜になっている私。
サン・セバスティアンの交通事情は?
朝食をいただいたら、この日は旧市街を離れて歩く。
ブールバードを超えると、街並みをもちょっと違った感じになる。
洗練された感じ。パリっぽいかしら?
やってきたのは、ギプスコア広場。
この広場の周辺はバス停が並んでいる。
先日はここからオンダリビアへと向かった。
本日はまた違った行き先へバスで向かう。
ほどなくしてバスがやってきた。
旧市街は車の乗り入れが禁止だが、
サン・セバスティアンの最重要交通網はバス。
ブールバードとギプスコア広場周辺には、
さまざまな行き先のバスがひっきりなしにやってくる。
どのバスもキレイで清潔。シンプルで機能的。
旅行者でも利用やすい感じ。
私たちは旅の初めに観光案内所でバスクカードを購入したので、
バスの乗り降りも「ピッ」とするだけ。
サン・セバスティアンだけに滞在する人なら、
「サン・セバスティアンカード」というものもあるにで、
旅の初めに観光案内所へ行って、滞在期間や観光の予定を
相談すると、ぴったりの交通系カードを紹介してくれるだろう。
さて、私たちは向かうのは絶景が見られるという場所。
晴れる日を待っていました!
旅に行けない旅人ができることは何か考えた
目次
悩む日々が続く
(2010年夏 イタリア ミラノのドゥオーモを眺めた夜)
この数日、いつも通りの旅の記事を
アップするかどうか悩む日々が続いた。
理由はもちろん新型肺炎のせいだ。
世界情勢も刻々と変わっていくけど、
それに伴って私の気分も刻々と変わっていく。
ここ最近ブログに載せている記事は、
昨年の夏のフランス&スペインの旅。
気づけば、すでに70記事以上となり、
年をこえて書き続けている。
(2019年夏 フランスボルドーの水鏡を楽しんだ夜)
そのフランスやスペイン、
過去に何度も訪れたイタリア。
聞きたくないようなニュースが耳に入ってくる近頃。
気づけば、心がぐったりしている私
(何度も訪れたフランスパリ 2013年夏撮影)
私は無類の旅好きの、一般的な勤め人。
世の中の旅好きの人ほとんがそうだと思うが、
行きたいときに、行きたい場所へ、行きたいように
いつも行けるわけではない。
時間やお金など、さまざまな制約の中で
ああでもない、こうでもないと計画を立て、
年に1度か2度の海外旅行を楽しむのだ。
そして今、自分ではどうしようもない
大いなる制約の前に、
どうしようもない気持ちで
心がぐったりしている自分がいる。
旅人にできることは何だろう?
(2012年夏 スペイン バルセロナにて)
しばらく旅には行けないし、行かないだろう。
今まで旅で訪れた場所はどうなっている?
イタリアでお世話になった人たちは?
世界はどうなってしまうのだろう?
ここ最近は、楽しかった旅の思い出すら、
なんだか空虚なもののような気がする日もあった。
楽しかった旅の思い出を書くのは、
不謹慎なのでは?という気持ちもわいてきた。
でもいろいろ考えて、楽しかった旅の思い出は、
このまま続けてブログにアップしていこうと思う。
旅に行けない旅人ができることはなんだろう。
その旅がいかにすばらしかったか、
その旅の行き先がいかにすばらしかったか、
その旅のことを忘れないこと……?
正しい答えはわからないけど、
私は、やっぱり書こうと思う。
旅好きの自分のために。